第三話『(校舎)裏へ・・・』
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の前扉を開いて一人の男子生徒が現れた。他に教室内に残って居た女子達がそいつに注目をして黄色い声をあげる。
現れたのは隣りのクラス(二年A組)の同級生、金髪で整ったルックスと甘いマスクに柔らかい物腰から女子人気が高く王子様≠ニして扱われている男──『木場祐斗』。
「──兵藤一誠君は居るかな?」
「──ここに居るぞー」
木場に名を呼ばれ、俺が席に座ったまま返事をすると、木場が教室内に入って俺の側に寄って来た。
「何か用か? 木葉優児」
「木場祐斗≠セよ!? 僕はマーダーライセンスなんて持ってないから!」
割とマニアックな漫画の主人公をよく知ってたな。
「冗談だ。それはそうと木場、ひょっとしてお前が使い≠ゥ?」
「うん、そうだよ。僕はリアス=グレモリー先輩の使いで迎えに来たんだ」
よりによってコイツか。(ジト目)
「何かな?」
「いや、何でもない」
腐女子共の声なんて聞こえなーい。
「ゆくか」
「ゆこう」
「ゆこう」
そういうことになった。
──俺達が校庭に出ると、運動場の脇で剣道着姿の村山と片瀬が地面に転がっているボロボロの大きめな塊を勇者のようなポーズで片足で踏みつけながら、掲げた竹刀をクロスさせていた。
「おーい! 二人共、何やってんだ?」
「あ、イッセーくん! 松田と元浜が私達の着替えを覗いてたのよ、女子剣道部の更衣室と隣の倉庫との仕切りの壁に穴が開いてたの!」
「んで、覗きがバレて逃げ出したこいつらを此処まで追い掛けて成敗したってわけ!」
「あー」
村山と片瀬の説明で理解する。つまり、そのボロボロなのは松田と元浜のリアル鬼ごっこでの成れの果てか。
「彼らも懲りないね」
木場も俺の横で苦笑を浮かべている。
「あれ? イッセーくん、木場君と一緒なの?」
「珍しくない?」
村山と片瀬が物珍しげにこっちを見る。
「まあな」
おかげで道中、周りから奇異の目で見られて散々だぜ。
「そういや、お前らは木場を見てもキャーキャー言わないんだな?」
「残念だけど、私達のタイプからはちょっと外れているのよね」
「ふーん」
「私達も木場君が美形だとは思っているわ。イッセーくんは男前ね」
それはフォローのつもりか?
「まあ、ここでこれ以上話し込むのもなんだし、俺達はもう行くぜ」
「そうね、私達も部活に戻らないと」
俺と村山の意見が一致。
「そんじゃな、二人共」
「じゃあね、イッセーくん!」
「バイバーイ! 木場君もね!」
「うん、それじゃあ」
手を振って走り去る村山・片瀬とは別方向に向かって俺と木
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