エイナ怒る〜ペナルティは貴方のもとへ〜
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行けなくなった」
ホームへと帰ってきたのはかなり遅い時間だった。
過去からして異例とも言える説教時間に、リリ達が労いの言葉を掛けてきたことは、少し俺の疲労を軽くした。
「すみません。僕が襲われたばかりに…」
「ベル坊は悪くないさ。
そもそも足留めができなかった時点で決闘者失格だ」
何が世界一だろうか。
遊戯王を愛し、数々のカードを扱ってきたと言うのに、あの体たらく。
あの時は別に束縛に拘らなくても、他に方法はあった筈なのに。
「タケル君。その決闘者をボクは知らないけど、ベル君は無事だった。ボクにとってはこれだけで十分だよ」
ヘスティアがフォローしてくれる。
しかし今回の失態は、俺の心情をぶち壊す事と同じなのだ。
「ありがとなヘスティア。
でもベルを危険にさらした事に間違いはないんだ」
俺は立ち上がり、全員が見渡せるようにする。
「さっきも言ったように、俺はダンジョンに行けなくなった。
これを機会に、少しの間部屋に籠ろうと思っている」
「籠るって…何をするんですか?」
「俺は今回の事で自信が無くなった。
だから修行をしてくる」
修行の事を知っているソーマファミリアは納得する。
ヘスティアとベル坊は首をかしげているが。
「取り敢えずそんなところか。
部屋に来ても居ないだろうけど、書き置きしてくれれば見るから」
「…あまり抱え込まないでくださいね」
「リリ、それは無理ってもんだ。
決闘者として、この世界に生まれ落ちたからには、リスペクトや知識、希望を取り戻さなきゃならないんだ」
「それでもです。
私達は仲間であり家族です。
一昔前のソーマ様のようにはならないでくださいね」
「……分かってるさ」
リリは色々なところに気が回る。
こうして俺の心をケアしてくれるなんて所も、できる女と言うものじゃないだろうか。
そんなリリに、いつの間にか頼りきるようになったところも、慢心の原因かもしれない。
今度からはリリがやっている仕事を半分くらいは片付けるようにしよう。
「まて、最近は外にだって出掛けている。
部屋にこもってはいないぞ」
「まぁまぁソーマ様」
「がっはっは!精進も立派な冒険じゃて!
頑張れよ団長よぅ!」
やっぱり、ソーマファミリアは居心地がいい。
そんなことを思いながら、自室へと戻っていった。
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