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仮面ライダーAP
第三章 エリュシオンの織姫
第6話 過ち
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ことも、改造人間の体に苦しむ人を救うことも。全部、『過ち』だったのかも知れない」
「……」
「けど。君がいたから、救われた命はある。君がいたから、俺が護れた未来がある。振り撒いたのが不幸ばかりだったからって、その『過ち』で救われた少ない幸せまで、否定したくはない」
「……!」
「俺は最後まで戦うよ。君が、今日まで進んできた道を信じて。だって俺が信じなきゃ、君が救ってきた人が生きてることも『過ち』にされちゃうもんな」

 南雲サダトを人間に戻す――それを最後に地球人への施術から手を引き、故郷の星へ帰る。それがアウラの選択だった。
 サダトはその決断を責めはしなかったが、今すぐに人間に戻ることを良しとせず。あくまで、シェードを完全に潰して「人類では対処できない、強力な改造人間」がこれ以上増やされない措置を優先する。
 それが、彼にとっての為すべき最後の使命だった。

「……ロビンさん、番場総監。羽柴柳司郎を止めるためにも……終わらせるためにも、力を貸してください。『過ち』だけで、俺達の戦いを終わりにしないために」
「是非もない。すでに風田改造被験者保護施設では、現状に絶望した被験者の自殺が相次いでいる。このまま護るべき者がいなくなっては、我々ICPOも正真正銘、張り子の虎だ」
「重戦車の破壊行為をこれ以上看過しては警察のみならず、政府の沽券にも関わる。奴の影響が保護施設に収まる保証など、ないのだから……」

 協力を求めるサダトに、ロビンと番場総監も深く頷く。あらゆる物理的障害を打ち破るあの重戦車を阻止するには、仮面ライダーの力を最大限に発揮させるしかないのだ。

「捜査一課以外からも、パトロールを増員させよう。彼らに全ての真実は明かせないが、今は一人でも多くの『目』が欲しい」
「実態が見えない仮面ライダーに協力することについて、抵抗のある警官もいるでしょう。――『仮面ライダーは警察が開発した対改造人間用特殊装備であり、機密保持のため警視庁主導のもと事実を隠匿していた』と公表し、世論を仮面ライダーの味方に付けることを進言します。まずは現場の警官に『仮面ライダーは間違いなく味方』であると納得させる必要があるかと」
「そうだな……。現場の警官隊には、私から伝えておく。アーヴィング捜査官には現地での指揮を頼みたい」
「了解しました」

 番場総監とロビンは速やかに今後の対応を定め、重戦車の出現に備えるべく動き出す。そんな二人を一瞥した後、サダトはアウラの方に向き直り――微笑を浮かべた。

「……な。間違いだけじゃない。正しかったかどうかなんて、まだわからないんだ」
「サダト様……」
「せめて、最後に君に見せたい。シェードがいない――仮面ライダーなんていらない、平和な世界を。絶望だけを背負わせたまま、君を星に帰したくは、
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