第三章 エリュシオンの織姫
第3話 人間達の決断
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原因で、世界各国から睨まれている。そんな中で積極的に被験者達を殺すことは出来ん。……だから理由を付けて警護を外し、テロリストに皆殺しにさせようと誘導しているのだ」
「なるほど。……人道的には腐り果てているが、理には適っている。阻止するには直接テロリストを倒してしまうより他はない、ということですか」
「……そういうことになる。だが、それはもう不可能だ。仮面ライダーGも仮面ライダーAPも、もういない。奴らに対抗しうる人類側の改造人間は、もう誰もいないのだ」
番場総監が言う通り、仮面ライダーGは9月を境に怪人が出現しても姿を見せなくなり、彼に代わって戦い続けていた仮面ライダーAPも、先日のテロで消息不明となっている。
通常兵器が通じないシェードの怪人に対抗できる仮面ライダーがいない以上、仮に無数の警官を施設の警護に充てたとしても結果は変わらないのだ。
だからこそ政府も国力を無益に損なわないために、「12月計画」に踏み切ったのである。
「――では、やはりなんとしても仮面ライダーを捜し出すしかありませんね」
「……」
そのロビンの発言に、アウラはハッと顔を上げる。番場総監は、彼の言葉に無言で頷いていた。
――政府は積極的に被験者を抹殺することはできない。つまりテロさえ阻止してしまえば……シェードさえ倒してしまえば、政府はもう被験者に手出しはできないのだ。
その鍵となる仮面ライダーを捜し出せば、政府に見捨てられた被験者達を救えるかも知れない。
ロビンはアウラの証言を元に作成した書類を、番場総監の前に差し出した。彼はその書類に書かれた、仮面ライダーAPの正体に目を見張る。
「南雲サダト……1996年4月3日生まれ、20歳。城南大学医学部2年生。少林寺拳法四段、テコンドー五段。高校時代はテコンドー高校生世界選手権大会で三連覇。……しかし、若いな。こんな若者が今まで、体一つであの怪人達と渡り合ってきたというのか……」
「彼は今年の5月に行方を絶って以来、シェードとの交戦を繰り返しています。先日の事件現場からは彼の部品と思しき物も発見されましたが、『本体』は未だに発見されていません。……仮面ライダーGの行方はともかく。彼が死亡したと判断するのは、些か性急かと」
「わかった。……基本的には最重要機密事項として扱うが、ウチの捜査一課にだけは情報を共有させて欲しい。こちらも手を尽くして、彼を見つけ出す」
「了解しました。そちらの捜査一課には、派生組織『ネオシェード』を壊滅させた優秀な刑事もいらっしゃるとか。……その手腕に、こちらも期待させて頂きます」
政府が被験者を殺すためにシェードを誘導しているなら、こちらもシェードを止めるために仮面ライダーを誘導するしかない。そのためにはまず、仮面ライダーの身柄を確保する
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