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仮面ライダーAP
第二章 巨大怪人、鎮守府ニ侵攻ス
第16話 アグレッサーの真実
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ビートの一閃で、彼が腕に抱えていた頭蓋骨を破壊した。
 その時のアグレッサー……もとい汰郎の取り乱し様は、はっきりと覚えている。あの時は何が起きているのか、まるで理解出来なかったが。

 今なら、わかる。
 あの頭蓋骨は、割戸神博士だったのだ。汰郎は改造人間と成り果てていながら、父を忘れずにいたのだ。

(……割戸神博士……)

 それに気づいてしまった今。果たして自分は、アグレッサーを討てるだろうか。……剣を握る手に、迷いは残らないだろうか。

「……許せないデース」
「……!」

 その時。
 黙って話を聞いていた金剛が、剣呑な面持ちで厳かに呟く。自分に注目が集まったと感じた彼女は、ここぞとばかりに声を張り上げた。

「結局、割戸神博士は自分のことしか考えてないド腐れマッド野郎デース! 愛する我が子の為だろうと、死んだ人間を歪に蘇らせ、大勢の人間を殺め、次元の向こうにまで災厄を振り撒く! そんな人を人とも思わぬ覇道が、許されるはずがありマセンッ! 犠牲になった向こうの世界の住民に代わり、この金剛が鉄槌を下してやるデースッ!」
「……榛名も賛成です。どんな理由があっても、こんなことが許されるはずはありません。こんな勝手は、榛名が許しません!」
「この私、霧島も同意見です。あちらにどのような事情があろうと、我々に危害を及ぼそうと言うのなら徹底抗戦あるのみ」

 それに恭順するように、榛名と霧島も声を上げる。大仰なその口振りは、明らかに艦隊の士気を鼓舞するためのものだ。
 そんな姉達の姿を見遣り――サダトの隣に立つ比叡も、語気を強めて声を張る。

「……この比叡も、そう思います。それに、同じ改造人間だとしても。向こうの性能が、計り知れないとしても。私達には、南雲君が……『仮面ライダー』が付いています。自分達の幸せのために人々を傷付ける巨悪に、皆の為に戦う仮面ライダーが、負けるはずありませんっ!」
「……!」

 その力強い宣言に、隣に立つサダトは驚嘆し――周りの艦娘達は一様に、勇ましい笑みを浮かべて頷いていた。
 金剛の計らいにより、艦隊の士気が維持されていることを確信し、長門もほくそ笑む。そんな姉の横顔を見つめ、陸奥も穏やかに微笑んでいた。

「……当然だ。この近海に生息している深海棲艦の推定総数と、その頭数から推測されるタンパク質の量から判断し……明後日には近海の深海棲艦を喰らい尽くして、この近辺に出現するものと予想されている。だが、我々も黙って喰われるつもりは毛頭ない。提督も私も、断固戦う方針だ」
「そのための作戦も、提督の発案により完成したわ。……この世界の生態ヒエラルキーの頂点が誰なのか。私達で教えてあげましょう?」

 シェードに……割戸神博士に如何ような理由があろうと、決して引き下が
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