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仮面ライダーAP
第二章 巨大怪人、鎮守府ニ侵攻ス
第15話 結ばれる友情
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「え、えぇ!?」
「ハリアーップ!」
「は、はいっ!」

 その理由を知った途端、金剛はサダトの尻を引っ叩いて追跡を促す。臀部に轟く戦艦級の痛みに涙目になりつつ、走り出して行く彼を豪快な笑顔で見送りながら。
 そんな強引極まりない長女の解決策に、妹達はティーカップを手にしたまま揃って苦笑いを浮かべていた。

「さて……榛名」
「……はい」

 ――が。その長女が真剣な表情で椅子に腰掛け、ティーカップを手にした瞬間。
 先ほどまで柔らかな面持ちでティータイムのひと時を愉しんでいた空気が、一変する。榛名も霧島も、すでに笑みなど一切ない剣呑な面持ちに変貌していた。

「例の解析結果、見せて貰ったネー……。割戸神博士とやらは、とんでもないマッド野郎デース」
「はい。……榛名も、住む世界が違うだけで、ここまで残酷になれる人間がいるとは知りませんでした。……まさか、自分の息子を……」
「……大淀には、辛い思いをさせたネ……」
「ですが、大淀さんのおかげで巨大飛蝗――いえ、『仮面ライダーアグレッサー』の情報はぼ網羅されました。解決策も、長門秘書艦と提督の案で確立されつつあります」

 巨大飛蝗。もとい、仮面ライダーアグレッサー。その脅威に抗する術は今、水面下で組み立てられようとしている。まだ完全には至らないが、時間の問題だろう。

「仮面ライダーへの当て付けとしてその名を冠する、次元破断砲搭載型改造人間……でしたカ。あれがシェードという連中の切り札ということは、それさえ処理してしまえば向こうの世界にも光明が差しマス。ここまで来て、あの巨大飛蝗を見逃す手はありまセン」
「はい。この世界のためにも、南雲さんの世界のためにも。不肖この榛名、全力を尽くす所存です」
「この霧島も、同じです。金剛お姉様」
「二人とも、サンキューネ。……ところで霧島。夕張が『例のアレ』を建造していると聞きマシタ。進捗のほどはどうデスカ?」

 工廠の方角に視線を移し、スゥッと目を細める金剛。そんな姉の眼差しを辿りながら、霧島は眼鏡を指先で直す。

「……やはりバイク型で再現するのは不可能だったようです。原子炉プルトニウムのエネルギーに対して、その形状では余りにも軽過ぎてバランスを維持できない、と」
「なるほど。やはりシェードの科学力はとんでもないネー……アレをバイクのエンジンとして定着させるなんテ……」

 悪の組織の科学力に、我が鎮守府の工廠が屈するかも知れない。その口惜しさに、金剛は下唇に歯を立てる。
 そんな姉をフォローするように、霧島はテーブルの上に一枚の資料を差し出した。その一面には、一台の軍用車の写真が載せられている。

「そこで、敢えてバイク型から離れて重量を高め、バランスを取る方向に切り換えたそうです。素材には大和型の
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