第二章 巨大怪人、鎮守府ニ侵攻ス
第11話 滲む不信
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る。……『核』が使われているというのは、本当か?」
視線を合わせぬまま、長門は妹に問い掛ける。帰ってきたのは、普段の余裕を漂わせる口調とは異なる、真剣そのものの答えだった
。
「……本当よ。あのバイク……だったらしい鉄塊のエンジン部には、プルトニウム原子炉が組まれている」
「……」
「核エネルギーを動力源にしてコントロールするには、バイクの車体は軽過ぎるはず……。それだけシェードという組織の技術力が突出しているのね」
「……核、か。これを報告したとして、提督はどうされるだろうか……」
現存するあらゆるエネルギーを凌駕する、凄まじい力の集合体。それが今、あの工厰に眠っている。
大本営が聞きつけたら、間違いなく手段を問わず手に入れようとするだろう。核は、それほどの価値を持っている。
どんな物でも勝つために利用せねばならない、この戦時においては。
「……利用し尽くす、か……」
だが、この海が巨大飛蝗の脅威に晒されている今、くだらない内部闘争のために貴重なエネルギーを浪費させるわけにはいかない。
核を巡るこの案件は、巨大飛蝗や南雲サダトの一件以上に、重く長門にのしかかっていた。
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