465部分:第六十五話 魔性の杖その四
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第六十五話 魔性の杖その四
「間違いなくな」
「しかし気付いた」
アイオロスはそこを指摘した。
「気付くということはそれだけの力量があるということだ」
「運ではないというのか」
「そうだ。気付けるのにも力が必要だ」
こう言ってミロを認めるのであった。
「御前はそれに気付けるだけのものがあったということだ」
「そう考えていいのだな」
「そうだ」
やはりこう答えるアイオロスだった。
「だからこそ御前は今ここにいるのだ」
「気付くだけの実力がなければ」
「そもそも黄金聖闘士にもなってはいない」
「それもか」
アイオロスの言葉にまた目を動かした。彼にしても感じるところが確かにある言葉であった。
「そういう意味でもか」
「これでわかったな」
「うむ」
今度は確かな顔で頷いたミロだった。
「よくな」
「わかってもらえればいい。それでだ」
「帰るのだな」
次の話はこれであった。見れば戦闘は完全に終わっている。多くの謎をそこに置いている遺跡はその静けさを完全に取り戻していた。
「聖域に」
「最早敵は一人として残ってはいない」
アイオロスはこのことも話してきた。
「敵が一人もいないのならばだ」
「帰るしかないか」
「そういうことだ。それでいいな」
「うむ、わかった」
アイオロスの今の言葉にも頷くミロであった。
「では帰るとしよう」
「さて、残る問題はだ」
アイオロスは戦場となった遺跡を見回した。倒れているのはインプ達ばかりである。しかし彼はそれでもあえて探したのである。探したのは。
「全員残っているか」
こう周りに声をかけた。
「全員。どうなのだ」
「はい、それは」
「何とか」
すぐに声が返って来た。すると所々から青銅の四人が出て来たのだった。
「いやあ、雑兵かと思ったんですが」
「強かったですね」
「冗談抜きでまずい時もありましたよ」
四人全員いた。彼等は一人も欠けたところはなかった。
「傷は負いましたけれどね」
「それでも命に別状はありません」
「一人もです」
「そうか。ならいい」
その報告を聞いてまずは安心するアイオロスだった。
「それならばな。そうしてだ」
「白銀の二人だな」
今のアイオロスの言葉に応えたのはミロだった。相変わらず彼の横にい続けている。そのうえで彼のその言葉に応えてみせたのである。
「カペラとシリウスだが」
「あの二人なら問題はないと思うが」
「小宇宙は感じている」
それはというのだった。
「だが。何処にいるかはだ」
「わかりはしないか」
「この辺りにいるのは間違いないが」
ミロもまた周囲を見回す。しかし二人の姿は見えない。ミロだけでなくアイオロスもこのことに少しいぶかしむものを感じだした時で
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