第190話 戦端を開く
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発見しました」
「どういうこと!?」
賈?は動揺していた。数日中には長安に撤退する予定だっただけに橋瑁の死は董卓軍にとって最悪の状況だった。
「護衛の者達は禁軍兵士達に任せたはずだ。それが全員殺されただと」
「橋瑁の首は城壁から投げ捨てられたの?」
「既に反乱軍の手元に入っているものかと」
賈?の問いに報告にきた涼州兵は深刻そうな表情で答えた。
「どうすればいいの」
賈?は頭を両手で押さえ苦悩した表情で思案していた。
「詠ちゃん、大変な状況なの?」
「月、向こうは何時攻めてくるか分からないわ」
賈?は董卓の問いに答えた。段?も賈?の考えに同意したのか深く頷いた。
「予定を繰り上げるわ。危険を覚悟で今夜にでも長安に撤退するしかないわ。何としても日が昇る前には都を立たないとまずい。静玖さん、準備をお願いします」
「わかった」
段?は賈?の頼みを聞き入れ部屋を出ていった。
「詠ちゃん、大丈夫?」
董卓は不安そうな顔で賈?のことを見た。賈?は董卓に笑顔を返す。
「私に任せて。月のことは私が絶対に守るから」
「今からでも遅くない。私が一人で劉車騎将軍の元に降服する。それでみんな」
「駄目! もう無理よ。月一人の命じゃ。どうにもならない。私達は涼州に逃げて再起をはかる」
賈?は董卓の言葉を静止した。董卓は激しい状況の変化に落胆している様子だった。仮に董卓一人の命で片が付こうとも、賈?がそれを看過するわけがない。だが、董卓一人の命でことを納めるには既に遅きに失した。
董卓側が混乱している頃、真悠も動いていた。宦官を使って禁軍の校尉を三人呼び出していた。今、真悠がいる場所は宮廷内でも宦官の影響力が強い区域だった。つまり董卓側の目を盗むことができるということだ。
校尉達は真悠の姿を確認すると警戒しながら真悠に声をかけた。彼女達は周囲に視線を這わし誰もいないか確認していた。
「貴殿が劉車騎将軍の義妹か」
彼女達は煌びやかな官服に身を包んでいた。今の真悠は何時もの汚いぼろ服でなく、上等な絹地の衣服に身を包んでいた。
「司馬季達といいます。私の母は司馬建公です」
「司馬騎都尉とは面識があります」
校尉達は急に表情を穏やかにさせた。彼女達は名門出身の真悠が自分達を呼び出したことで安心しているようだった。それも正宗と姻戚関係にある司馬家であればなおのことだ。
「本当に劉車騎将軍と話しをつけてくださるのでしょうな」
「貴殿達の願いを聞き届けるには義兄上のために少し働いてもらわなければならない」
「その条件とは?」
校尉達は用心した顔で真悠のことを見ながら話すのを促した。彼女達としても時間的な余裕はないと理解しているよ
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