第190話 戦端を開く
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ことを見た。正宗は目を瞑り頷いた。孫策は背後に控える部下一人に声をかけ橋瑁の首を運び込ませた。その首は白布に包まれていた。孫策は部下に台座を用意させ、その台座に首を起き布を解いた。
「橋元偉殿」
荀爽は変わり果てた橋瑁の姿を見て呆然と見ていた。
「正宗様、使者が惨殺されたいうことは董仲穎側は交渉するつもりはないということです。明朝にでも都を総攻撃すべきです」
呆然とする荀爽を余所に、揚羽は今後の方針を矢継ぎ早に提案してきた。正宗の関係者達も全員頷いた。それを受け正宗も頷く。
「明朝、総攻撃を行う。孫伯符、総攻撃を行うと先陣に詰める者達に伝えてくれ」
「劉車騎将軍、かしこまりました」
孫策は正宗に拱手し頭を下げると、彼女と彼女の部下達は好戦的な笑みを浮かべ立ち去った。
「劉車騎将軍、必ずや大逆人たる董仲穎を誅殺してください」
荀爽は膝を折り正宗に対し拱手し頭を下げた。
「荀侍中、言われるまでもない。天下のために正義を為す」
正宗は厳かな面持ちで荀爽に言った。そして、正宗は立ち上がった。
「交渉は決裂した! 明日、総攻撃を行う。各人奇襲を警戒し用心を怠るな。これにて散会とする」
正宗は諸侯達に言い放つと、彼らは正宗に対して拱手した。すでに場の空気は正宗を頂点に回っていた。諸侯達は慌ただしく出て行き、それを正宗は見送った。
「橋東郡太守の首は丁重に葬ってやってくれ」
正宗は陣幕内の隅に控える近衛に声をかけた。近衛は正宗の命令に従い首を布で包み直す。
「劉車騎将軍、橋東郡太守の首はご家族の元にお届けください」
「?州東郡に塩漬けにして届けても腐敗が酷いぞ。橋東郡太守の家族の衝撃はいかほどか計り知れない」
正宗は荀爽の提案に難色を示した。変わり果てた橋瑁の姿をその家族に見せることに正宗は忍びなかったのだろう。
「橋東郡太守の身体も見つけ送り届けいただきたいのです」
更に荀爽は正宗に提案の続きを告げた。彼女の瞳は強い意志が籠もっていた。彼女は言葉を曲げるつもりはなさそうだ。史実の荀爽も学者肌であったが熱血漢であった。恋姫の世界の荀爽も通ずるものがあるのだなと正宗は思った。
「変わり果てた橋東郡太守の姿を家族達が見ることは辛いに違いない」
「劉車騎将軍の気遣い理解いたします。それでも。橋東郡太守の遺体を欲しいと思うのが家族達の気持ちと思います」
正宗を真正面から見る荀爽から強い気迫が感じられた。
「遺体を見なければ家族達は気持ちを整理できないな」
正宗は視線を落とし頷き荀爽を見た。
「分かった。首は塩漬けにし身体とともに家族達の元に送り届けれるように努力しよう。総攻撃の折りは身体を探させる」
正宗は荀
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