464部分:第六十五話 魔性の杖その三
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第六十五話 魔性の杖その三
「だが。黄金聖闘士の拳ならばだ」
「戦衣をも壊せるというのか」
「その先端に一点を突けば何とかなるものだ」
その種も明かしてみせたのだった。ミロは力学も応用してそのうえで杖を破壊してみせたのである。彼は頭脳も使ったのである。
「黄金聖闘士の実力ならばだ」
「そうか。そういうことだったか」
「少なくともこれで貴様の技は破った」
あらためてこのことを告げた。
「さて、どうするのだ?」
「ふむ。見事だ」
技を破られたがそれでもだった。サリアはここでもその顔に冷静さを保っていた。それどころか笑ってさえいた。あの楽しむ笑みであった。
「またしても破るとはな」
「そう言えるということはだ」
ここでまたあることがわかったミロであった。それは。
「まだ技を持っているのだな」
「そうだと言えばどうするのだ?」
「また破ってみせよう」
毅然として返すミロだった。
「その技もだ」
「今度の技はそう簡単に破れるものではない」
サリアもまた自信を見せる。
「しかしだ。今は止めておこう」
「止めるというと?」
「貴様の実力はわかった」
サリアは冷静に述べた。
「そして杖だが」
「むっ!?」
あの魔界を創り出したその杖が今再び姿を現わした。何とサリアの左手にその姿を見せていたのである。今壊されたばかりだというのにだ。
「破壊されたのに元に戻るというのか」
「戦衣の特別な力だ」
サリアは言った。
「破壊されても時が来れば自然に修復されていくのだ」
「自己修復の力を持っているというのだな」
「そうだ」
まさにそうだというのである。
「これがその自己修復の力だ」
「そうした力もあるというのだな」
「そのことは言っておこう」
静かだが確かな声で述べたサリアであった。
「覚えておくことだ」
「わかった。それでは覚えておこう」
ミロも頷いて彼に応えた。
「しかとな。ではサタナキアよ」
「また会おう」
その周りに黒と紫のあの歪な空間を漂わせてきた。
「まただ」
「そして次に会う時はだな」
「私の最大の技を見せる」
このことも言うのであった。
「それを見た時が貴様の最後だ」
「それではその技もだ」
ミロもまたここでも負けてはいなかった。
「破ってみせよう」
「楽しみにしておこう。それではだ」
「次の戦いの時にこそだ」
彼等はこう言い合った。サリアはその黒と紫の中に消えていった。後に残ったのはミロだけであった。だがすぐにそこにアイオロスが来たのであった。
「見事な闘いだったな」
「見ていたのか」
「見させてもらった」
こう述べるアイオロスであった。
「よくな」
「そうか」
「まずは破ることができたな」
「完全で
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