9. 夜の密会の真相 〜電〜
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んわりと演習を控えるように言ってみたらしいのだが……
――待ってろよ提督! 俺がこの鎮守府を落ちこぼれから救ってやるぜ!!
――提督! ロドニーさんに遅れを取らないよう、練度を出来る限り上げておきます!
だから提督! 安心してください!!
と実に清々しい笑顔でさらなる練度向上を約束され、資材の消費スピードがさらに上がってしまったという話だった。
「それで提督は毎晩私のところにそのことを愚痴りに来てたんだ」
「あ、なるほど……」
「私も資材がなくなる悲しみはわかるからな。こいつは共感してくれる仲間が欲しかったのだろう」
「……てわけ。だから、別に俺と集積地はいかがわしい関係じゃないのよ」
「んじゃ、色々溜まってるって言ってたのは、ホントにストレスだったのです?」
「うん。つーかグチだな」
「集積地さんに出してるってのは?」
「グチだな。毎晩毎晩、私にグチりにきてたんだ」
「集積地さんが寝っ転がって受け入れて……てのは?」
「私はだいたいハンモックで横になったままグチを聞いてたからな」
「司令官さんの加齢臭がどうこうってのは……?」
「こんなに遅い時間になるとね。おれ、いつも寝る前に風呂入ってるし」
「風呂に入る寸前にここに来てるわけだから、そらぁ体臭もちょっとはきつくなるだろうな」
なんだか真相を聞いてがっくりきてしまった。そんなことだったのか……私の不安とか心配とか、そういうことで消耗した私の体力を返して欲しい。集積地さんに何もなかったのは安心したけど。いかがわしかったり力ずくじゃなくてよかったけど。
「ほっ……よかったです提督……安心しました……」
同じように心配していた大淀さんも安心したようで、やっといつもの大淀さんに戻っていた落ち着いた様子でお茶をすすり、心から安心したような一息をついていた。
「ん? 電は分かるけど、どうして大淀がそんなに安心してるの?」
「ち、鎮守府の風紀上、見逃せない問題だったからですっ!」
「なるほど。まぁそうね。爛れた関係ってのはね……」
死んだ魚の眼差しで大淀さんを見つめる司令官さんに対し、大淀さんは顔を真っ赤にして頭から湯気を出しながら怒っていた。大淀さんが安心する理由……なんとなく風紀とかとは無関係な気がしてきた。
こうして、集積地さんと司令官さんのドライな友達関係疑惑事件は幕を閉じた。真相は赤城さんと天龍さんに頭を悩ませた司令官さんが、自分の気持ちを一番理解してくれそうな集積地さんにグチを毎晩こぼしていたという、なんとも締まらない結果だった。
「それはそうと、お前たちには一応罰が必要だな。特に青葉」
「はい!? 青葉だけですか!?」
「うん。おじさんとちょっと夜の散歩しに行こうか」
「し、司令官……こ、こ
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