9. 夜の密会の真相 〜電〜
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たよ。昼飯の時の電の様子、おかしかったしね」
笑う集積地さんはまだいい。でも、口から魂を出していた司令官さんには、口が避けても『様子がおかしい』だなんて言われたくなかった。
「たったそれだけで見破ったのです?」
「いや? 大淀の様子もおかしかったし。なんか執務中にやたらとこっちの顔をちらちら見たり『集積地さんとはどんな感じですか?』て集積地とのことを聞いてきてたしね。んでピンときたっつーか」
こんなセリフを司令官さんはいつもの表情でお茶をずずっとすすりながら吐いていた。なるほど。コードネームOH! YODOは自分が作戦行動中だという自覚が足りなかったようだ。そのOH! YODO本人は相変わらず目をぐるぐると回しながらお茶をすすり、『あつっ!?』と再び舌を火傷していた。大淀さん、あなたが任務娘じゃなくて戦闘も行える艦娘だったら、明日の赤城さんの対空演習に無理矢理付きあわせているところなのです。
「でもまぁいいじゃないの。心配してたってことは、それだけ集積地のことを大切に思ってるってことだし」
司令官さんが、口に咥えた裂きイカをピラピラと上下に動かしつつ、そんな風にフォローを入れてくれた。それに対し集積地さんも、
「いや、私は別に何とも思ってないよ。でも確かに提督の言うとおりだな。イナズマ、ありがとう」
「ど、どうもなのです」
とりあえずは二人の……集積地さんのお怒りにふれることがなくてよかった……。つづいて司令官さんは集積地さんに対し、
「ついでと言っちゃ何だけど、大淀と青葉のことも許してあげて。お前さんを大切な仲間だと思ってたゆえの行動だからさ。代わりに俺が提督として謝るよ。ごめんな」
と集積地さんに頭をペコリと下げていた。集積地さんも別段機嫌を悪くした様子もなく、笑顔で……
「大丈夫だ。二人に対しても特に思うところはない。結局は私を心配しての行動だったわけだし」
と気持ちよく二人を許してくれていた。青葉さんの目的が集積地さんの心配ではなくピュリッツァー賞だったということは伏せておいたほうが良さそうだ。
「……ハッ!! そ、それはそうと!」
あ、大淀さんが復活した。いつものようにメガネをキラーンと光らせた、キャリアウーマンで一人前のレディーな大淀さんだ。
「ん? どしたの?」
「じゃあ提督! 毎晩ここに来て、集積地さんと何をやってたんですか?」
たしかにその疑問に再びぶち当たる。あの、いかがわしい内容としか思えない会話は今も鮮明に思い出せる。二人は毎晩、ここで一体何をやっていたのか……
「……んーとな」
んん? 司令官さんの様子がなんだか妙だ。ほっぺたが少しだけ赤くなっている。秘密にしておくことではないようだが、なんだかとても言いづら
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