9. 夜の密会の真相 〜電〜
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づいてきた。音のした方を振り向いてみる。
「キヤァアアア」
「ひやぁあっ!? ……子鬼さん!?」
びっくりした……さっきの子鬼さんだ。この天井裏の隠し部屋を見つけて登ってきたようだ。この暗闇でこのキモい顔は心臓に悪い……
「ここまで登ってきたのです?」
私の質問には答えず、子鬼さんはぴょんと私の肩に飛び乗ってきた。子鬼さんはとっても可愛らしいのに、その外見はやっぱり何度見ても……いやかわいそうだ。口には出さないでおこう。
『それでは私も後ほどそちらと合流します。ブルーリーフとライトニングは引き続き監視を』
「恐縮です! OH! YODOの合流をお待ちしてます!」
「司令官さんがやってくるのです?」
「そうです! 執務室を出たみたいなので、もうすぐこっちに着くと思いますよ!」
という青葉さんの言葉が終わるか終わらないかというところで、資材貯蔵庫の扉が開くゴウンゴウンという地響きにも似た音が天井裏に鳴り響いた。
「あれ? 司令官はもう到着したのかな?」
「来るの早くないです?」
「それだけ集積地さんに会うのが我慢できなかったのだとしたら……」
物騒なことを……執務室からここまで小走りでやってくるぐらいに、司令官さんは集積地さんとのつかの間の享楽を我慢できないというのか……
『おーい集積地ー』
『なんだ今日も来たのか。昼に言っただろ? 私は最近お前のせいで寝不足なんだぞ?』
『そう言わずにさー……相手してよー』
司令官さんと集積地さんの、どう聞いてもいかがわしい内容としか思えない会話が聞こえてきた。本当に二人はいかがわしい関係なのか、その真相を知らなければ……私は覗き穴に顔を近づけ、緊張でバクバクする胸を抑えながら二人を見守った。青葉さんは……
「これは……これはスクープですよっ……明日は号外を配らなければ……ッ!!」
と私とは違うベクトルのどきどきわくわくを感じながら二人を見守っていた。覗き窓にカメラのレンズを押し当てて、シャッターチャンスのその瞬間を収めるべく……口からよだれを垂らしながら見守っていた。
青葉さんと共に二人の様子を改めて観察する。集積地さんは変わらずゲームをやりつづけ、司令官さんの方を見ていない。司令官さんは……ひょこひょこ歩いて集積地さんとの距離を少しずつ縮めていた。先入観があるためか、心持ち司令官さんがへっぴり腰に見える。
「そうですか? 青葉にはみなぎってるように見える気がするんですけど……」
「せ、先入観のせいだと思いたいのです……」
「なんかこう……かくかくって」
「やめてほしいのですっ!」
私に負けず劣らず、今の青葉さんも頭の中がショッキングピンクに染まっているようだ。そんな私達のピンクフィルターを通して観
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