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テキはトモダチ
9. 夜の密会の真相 〜電〜
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の夜に若くてかわいい女の子とふたりきりで夜のお散歩だなんて、風紀上まずいのではないでしょうか……ガクガクブルブル……」
「いいから行くよ。これ命令だから復唱してちょうだい」
「うう……あ、青葉はこれより、司令官と二人っきりで、夜のお散歩に行きます……恐縮です……」

 不安そうな青葉さんの復唱が終わるやいなや、司令官さんは立ち上がり青葉さんの手を取って無理矢理立ち上がらせると、

「んじゃ行こうか。大淀、あとよろしくー」
「了解しました。お気をつけて」
「いやぁぁああ! 恐縮ですー!!」
「取って食いはしないから安心しなさいよ」

 と二人で資材貯蔵庫から足早に出て行った。この時、青葉さんがどんなお仕置きをされていたのかは後日判明するわけだが、それはまた別の話。

「イナズマ」
「はいなのです?」
「私を心配してくれてありがとう。やっぱりお前は、私の友達だな」

 青葉さんと司令官さんが貯蔵庫から出て行った後、私は集積地さんからこんなことを言われた。その時の彼女の顔は、本当に心からうれしそうな、満面の笑顔だった。

「電こそごめんなさいなのです……」
「謝る必要なんかないよ。私のことを心配してくれたんだろう?」
「そう言えば聞こえはいいのですけど、のぞき見してたことは違いないのです」
「そうですね……集積地さん、私からも謝らせてください」
「いや、オオヨドもどうか気にしないで欲しい。私を仲間だと思ってくれているがゆえの行動だったと私は思っている」

 集積地さんは、そう言いながら私たちに右手を差し出してきた。以前に手をつないだ時と同じく、集積地さんの右手はとてもしなやかでキレイな手だった。

 私は、その集積地さんの手をとり、手をつないだ。集積地さんの手は以前と変わらずとてもあたたかくて、つないでいる私の心をぽかぽかと温めてくれた。

「助けてくれたのがお前で、連れてきてくれたのがこの鎮守府でよかったよ。正直不安だったけど……お前たちと仲良くなれてよかった」
「電も、集積地さんと仲良くなれてよかったのです!」
「ありがとう。これからもよろしくイナズマ!」
「こちらこそよろしくなのです!」

 大淀さんが微笑みながら見守ってくれている前で、私と集積地さんはお互いに握手し、その手を上下にブンブンと振った。その時の集積地さんの手のぬくもりは、以前につないだ時よりも……昨日までのぬくもりよりも、もう少しだけあたたかかった。

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