第2話 雛罌粟-運命の輪-
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者達(俺達)の許可がない限り、独断専行の抜け駆け行為は禁止されている」は、はぁ?」
抜け駆け?
まだ、出会って直ぐだぞ……別にそんな積もりもない。ただ、今の様に同僚の兵士達に揶揄われたらゆっくりと食事が楽しめそうにないからだ。
後、俺の両肩を掴む際に力入れ過ぎじゃないか?
両肩、信じられないくらい痛いんだけど……。
「おい、そこを退きな」
「痛ってぇ……何しやが「あぁん?」ひぇええぇぇぇっ、て、ててて、店長!「馬鹿が、女将と呼べと言っているだろうがっ!」ごばぁっ!」
両肩の痛みが無くなったと思えば、まさか、まさかの歴戦の女戦士の様な鋭い猛禽類の様な目つきをした、この店の理不尽な店ちょ……女将が俺の前にそびえ立っている。
横目に見える店内に転がっている同僚兵士は大丈夫なのだろうか。あの剛腕から放たれた右の拳は、実際に受けていなくても、かなり強烈に見える。
「おい、其処の新入りの小僧……厨房前の一人掛けの席に座りな」
「は、はい……」
こ、怖い……。
あの半笑いの顔は何だ、一体、何を企んでいるんだ?
女将に言われるままに、厨房前の一人掛けの幾つかある席の真ん中辺りに適当に座った。
ちらっと他の同僚の兵士達が座る四人掛けの机の席に方に視線を向けると、割と物静かに注文した料理を楽しんでいた。中には、今の一連の理不尽な行為を目の当たりにしていないのか、ずっと、街一番の美人給仕の姿を視線で追っている変わった奴もいた。
しかし、俺と同様に今の理不尽な行為と女将に怯える者いたが、俺と視線を合わせてくれない。これは……危険だ、幾ら街一番の美人給仕がいるからって、次から来ない様にしよう。俺には食事処“春風”で十分だ。
「小僧……名前は“項翔玄”で合っているか?」
「え、あ、はい……俺の名は項翔玄ですが、何処で俺の事を?」
雛罌粟の大将が店の床に転がっている、先程、理不尽にも大将が殴り飛ばした同僚の兵士を指差し質問に答えた。
「あぁ、其処に間抜け面を晒して気持ち良さそうに床を舐めている馬鹿も含めて、ここに来る孫文台の兵士共は酒が入るとな、「翔玄が、翔玄が〜」と五月蠅くて仕方がないんだ。大の大人の男が酒を片手に小僧の頑張りを、毎回、毎回、飽きもせずに自分の事の様に喜んで、話を聞いている奴等と一緒にグビグビと飲んでいる姿はかなり異常な光景だぞ。……で、この馬鹿共はひとしきり、今日の小僧の頑張りを話した後で、明日の様々な抱負を高らかに皆に語りやがる。……恥ずかしい表情を一つ見せずに、ただ、偉そうに、店の外へ聞こえる程の大声でな。もう、すっかりと慣れたが、慣れない始めの頃は元凶である“項翔玄”、小僧を殺しに行こうかと真面目に考えた」
「は、ははは……そ、それは、すいません。……何か、物凄くお
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