第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#19
MILLENNIUM QUEENV 〜Last Judgement〜
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と。
「悔やむ心が在るなら、大丈夫。
償えない 『罪』 は在りません」
そう言って彼女は、滅び逝く自分に優しく微笑みかけてくれた。
「頑張って、頑張って、戻っていらっしゃい、この世界に。
今度は、一緒に生きましょう」
死ねばスベテは無に還る、そういう意味では、
どんな強大な王の存在も、また無意味。
でも、彼女がそう言うのなら、
オワリではないと信じられるような気がする。
もし、本当に生まれ変われるのなら、彼女のように、
微笑みで誰かを救えるような、そんな存在になりたいと、静かに想えた。
やがて噴き挙がる緑青色の煙と共に、
形容をなくしていくオルゴンの存在。
もう何も残さず消え逝く運命の中、最後に遺した言葉。
「アリ……ガ……トウ……」
誰にも言った事のない言葉。
初めて純粋に伝えられた言葉。
恐怖も絶望も安らぎに包まれ、
そしてオルゴンは、跡形もなく消え去った。
悪鬼羅刹の如き業に塗れた彼の生涯で在ったが、
本来 “そのような者” こそ、神に最も愛される存在なのだと云う。
『罪』 は消えない、 【罰】 は免れない。
しかしいつか、一 巡 のいつか、
赦される日が来る事を、そう想う者だけで良い、祈ってはやれないだろうか。
この世界でたった一人、罪深き者を赦し、
救いをもたらせた人間がいたのだから。
誰も、誰かの赦しなしでは、存在出来ないのだから。
緩やかに降り注ぐ光、浄化された大気、胸に抱かれた赤子。
女神の微笑みは、今も温かく誰かを照らしている。
アノ時から何も変わらず、いつまでも……
『千 年 妃』
その名の真の意味は、留まることを知らない大いなる慈愛故に。
紅世の王 “千征令” オルゴン
完全消滅。
←TOBE CONTINUED…
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