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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#19
MILLENNIUM QUEENV 〜Last Judgement〜
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揮り挙げられた巨大なる剛刃の切っ先が、大気を鳴轟させながら女神に迫る。
 ヘカテーの意識は既に、回避予測点を複数算出しそれぞれに対応する
二の刃の形を想定する。
 しかし!



 グァッッッッッッッッッギイイイイイイイイイイイイイイイイイイィィ
ィィィィィィィィィィィィィィッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!



 巨大で硬質な金属音。
 否、実際に音は鳴らなかったのだがソレを目の当たりにしたヘカテーには
如実なる感覚として耳に届いた。
『な……!?』
 さしもの “頂の座” も、零下の風貌を豹変させるに充分な光景。




   ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
  ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!!




 比類無き最大最強の剛刃が、折り曲げられた女神の細腕一本に止められていた。
 その後も反射的に力を込めるが、刃の先端は微動だにしない、引くことも出来ない。
『そ、そんな莫迦な……幾らなんでも在り得ません……』
 透徹の頬を伝う、氷の雫。
 そう、エリザベスの力を侮ってはいない故に、
ヘカテーは予測した総力(チカラ)を数割増して戦闘に臨んだ。
 元来、徹底貫徹の性格、確実に討滅するために
自らと互角の遣い手にまでその数値を引き上げた。
 しかし、それでもこの結果は在り得ない。
 自分でも、アーサーの放つ渾身の一撃を片手で防ぐのは不可能。
 故に、エリザベスでもその結果は同じ筈。
 何らかの特殊能力? 
しかしエリザベスが 『スタンド使い』 でない事は事前の調査で確認済み。
『一体……どうしてこんな威力(チカラ)が……』
 唖然とするヘカテーの視界が、
彼女でなければ見逃している微細な存在を捉えた。
 無人の街路、その茫漠とした風景の中から虚ろとすら云えない、
余りにも小さい光子が棚引き、一箇所に集まっていっている。
『――ッ!』
 ソレは、極大に聳える騎士、胸中で囚われているオルゴン、
更には海を隔てた自分の躰からすらも微量ながら発せられていた。
『トーチ……否……ソレすらも “消え去った後” の、
存在の定義すら危うい余塵が、彼女の元へと集まっている……!?』
「……」
 微かな呼吸音すら発しないその口唇の隙間で、そして全身で、
エリザベスは空間に漂う生命の欠片(カケラ)を集めていた。
 全ての存在(モノ)が、微弱に発している生命エネルギー、
人間だけではなく草木や虫、空を舞う鳥、水の中で泳ぐ魚、
それらを育む大地や海に至るまで、スベテ。
 ヘカテーの遣う法儀のように、対象から強制的に力を搾り取るのではなく、
自然が、生命がごく
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