暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティアを駆け抜けて
逆鱗
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バーチャルはスピアーを繰り出すが、同じことだった。スピア―が動く前に竜の逆鱗が一撃で敵を戦闘不能にする。

「これじゃあ……ルールなんて関係ないじゃない」

 ダイバの戦い方は、施設のルールなど見ていなかった。15秒で判定が行われるのなら、15秒以内に敵を倒してしまえばいいという意思がはっきり表れている。だが次にバーチャルが繰り出したのは、奇しくもジェムを倒したエルフーンだった。

「エルフーン コットンガード」
「……」

 ガブリアスの逆鱗は続くが、フェアリータイプにドラゴンの技は通用しない。その間にエルフーンは綿毛をもこもこと膨らませ、物理攻撃に対する壁を作る。

「逆鱗の効果が終了したガブリアスは混乱する……ここからどうするの?」
「ガブリアス、炎の牙」
「エルフーン ムーンフォース」

ダイバは構わず攻撃するが、混乱した状態ではうまく攻撃を当てられない。相手の月光の光線が当たり、ガブリアスを戦闘不能にした。

「出てこい、そしてシンカしろ……メガガルーラ」

 次にダイバが呼び出したのは――親と子供で一体として扱われるポケモン、ガルーラだ。メガシンカを遂げたことで子供が袋から出てきて、確かな戦力となる。

「それでも、あの防御力は……」
「関係ないよ。綿毛と一緒に凍り付け……冷凍ビーム」
「エルフーン ギガドレイン」

 相手がガルーラから生気を吸い取るが、ガルーラの耐久力はかなり高い。親と子供、二本の冷凍光線がエルフーンに飛んで行き――その綿毛をカチコチに氷漬けにした。エルフーンは凍ってしまって動けない。

「このまま冷凍ビーム。これで終わりだ」

 次の一撃――いや、親子の二撃でエルフーンは倒れた。ダイバの勝利だ。

「わかった?これが僕と君との実力の差……そして、バトルに対する違いだよ」
「違い……?」

 実力の差はそもそも自分のポケモンを痛めつけられた時にわかっている。だがバトルに対する違いとはどういう意味か。それをダイバはこう語った。

「君はこの施設、攻撃すればするほど有利だと思って補助技をロクに使わず戦ったよね。……それが甘い」
「……」
「本当に自分の実力に自信を持っているなら、そんな小細工はせずに『自分の』バトルを貫いたはずだよ。……君のバトルは、『お父様』とやらの影を追っているだけで実戦経験のなさが露骨に現れた、哀れなほど薄っぺらなものだ」
「そんなことない、私毎日ジャックさんと戦って……」
「ずっと同じ人、同じポケモンと戦ってたんでしょ?一応ポケモンの知識はあるみたいだけど、相手に対する対応力がまるでない……」

 反論しようとするジェムを、一言で切り捨てるダイバ。その言葉はジェムの胸に刺さっ
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