逆鱗
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かない速度でダメージを与えていく。そして15秒が経過した。
「『心』『技』『体』、全てエルフーンの勝ち……戻って、ラティ」
結果は当然、バーチャルの勝ち。ジェムはラティアスを戻し、最後のポケモンマリルリを繰り出す。だが相性の関係から半ば勝負は見えていた。15秒のカウントが始まる。
「……ルリ、じゃれつく」
「エルフーン コットンガード」
マリルリがとびかかるより先にエルフーンの特性『悪戯心』によってエルフーンの体をすごい勢いで綿が覆っていく。マリルリが攻撃した時にはもこもこの綿が攻撃の威力を吸収し、ほとんどダメージにならなかった。
「ルリ、アクアジェットで逃げて!」
「エルフーン ギガドレイン」
水の噴射で距離を取らせようとする。だが直線的な攻撃ではなく、直接生気を吸い取る技から逃れる術はない。マリルリの体力が大幅に吸い取られる。
「エルフーン ギガド――」
「待って!もう……降参する」
どうせこの勝負は勝てない。なら自分のポケモンが傷つけられる前に……とジェムは手をあげてサレンダーした。バーチャルの攻撃が止まる。
「ルリ……ラティ、キュキュ。ごめんね」
泣きながら、ジェムは自分のポケモンに謝った。バトルに負けたことは勿論、ポケモントレーナーとしての自分が折れかかっていることがたまらなく悔しかった。
「……もう負けたの?」
自分のバトルを終えたダイバが遠慮なしに声をかけてくる。彼の場には最初に出したガブリアスが健在だった。ダイバとの実力差を感じながらジェムは答えることが出来ない。ダイバはこれ見よがしにため息をついて言う。
「……はあ。ブレーンに挑戦しようと思ってたけど、一週で終わりにするよ。――だから、僕のバトルを見てて」
「……?」
「言ったよね、君が勝てないのには理由があるって」
それだけ言って、ダイバは次のバトルを始める。出すのは再びガブリアスで、相手はモジャンボだ。
「ガブリアス、剣の舞」
「モジャンボ パワーウィップ」
「いきなり補助技を……」
相手は体中の草の鞭で叩きつけてくるが、ガブリアスは構うことなく特殊な舞を踊って、己の攻撃力を大幅に上げる。その行動をジェムは不思議に思った。攻撃すれば攻撃するほど有利な施設だと言っていたのはダイバ自身だからだ。
「モジャンボ パワーウィップ」
「逆鱗」
次の鞭が飛んでくる前に、ガブリアスは音速にも等しい速度でモジャンボに接近すると、先ほど受けた攻撃の鬱憤を晴らすようにその鋭い刃物のような腕で鞭を無茶苦茶に引き裂いていく。剣の舞の効果と合わせて凄まじい威力となった攻撃は、一撃でモジャンボを戦闘不能にした。
続いて
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