462部分:第六十五話 魔性の杖その一
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第六十五話 魔性の杖その一
魔性の杖
サリアのデモンズロッドが迫る。しかし音はない。
そのかわりに周囲をまたしても恐るべき魔が支配していく。今度は瘴気の中で全てを異様な空間の中に導いてきていたのである。
「この杖は俺を倒すのではないのか」
「そうだ。デモンズロッドはその周囲を魔界とするのだ」
それがこの杖だというのである。
「そしてだ。その魔界こそがだ」
「貴様の力が最も強くなるというのだな」
「その通り、それが魔界だ」
彼は紫の黒の中で歪に曲がっていく世界の中でミロに告げた。
「私の世界なのだ」
「ではこのミロの力はだ」
スカーレットニードルを出そうとする。そのうえでサリアの身体を次々と撃つ。だがそれは全く効果がなかった。彼は何ともない顔をしたままであった。
「効かないというのか」
「普段の貴様ならば効いていた」
それはサリアもよくわかっていた。
「私は今のスカーレットニードルで間違いなく激痛に襲われていた」
「そうだったな」
「そしてそのアンタレスでだ」
この止めの技のこともよくわかっていたのだった。
「私は間違いなく倒れていた」
「だがそうはならないということか」
「この世界では私の力は限りなく増大する」
魔界の中では、というのである。
「貴様の力は変わらなくともだ」
「貴様の力が上がることにより相対的にというのだな」
「その通りだ。スコーピオンよ」
サリアはミロを見据えたうえでまた彼に問うてきた。
「これはどうして凌ぐつもりだ」
「凌ぐ、だと」
「私のあのクリムゾンミストは破った」
このことも言ってみせてきたのだった。
「その貴様がそう簡単に私の技に屈するとは思えないのでな」
「まるで俺が貴様の技を破ることを期待しているようだな」
「そう聞こえるか」
サリアは今のミロの言葉に対して不敵に返してみせたのだった。
「そう思うならそう思えばいい」
「若しそうならばだ」
さらに言うミロであった。
「貴様にはまだ切り札がある」
サリアを見据えながらの言葉だった。
「そうだな。だからこそ俺に技を破られてもいいのだな」
「ふふふ。さてな」
こう言われてもやはり不敵に笑うだけのサリアだった。
「それで破れるのかどうか」
「言っておくことがある」
それについて、ということであった。今のミロの言葉は。
「このミロ、いや聖闘士はだ」
「聖闘士は?」
「最後の最後まで決して諦めないのだ」
強い言葉であった。
「倒れるその瞬間までな」
「ならば私の技を破るというのか」
「破ってみせる。行くぞ」
言いながら拳を数発放った。光速の拳をである。それはサリアに向けられていたが彼はそれを全て受けてもや
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