神風と流星
Chapter2:龍の帰還
Data.31 本番の幕開け
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撃すればいいのだが、そうしないところを見るにどうやら冷却時間が設定されているらしい。
道化竜がある程度の高さまで降りてきたところで、今度はきちんと体勢を整えていたシズクが跳躍し、その勢いのまま再び翼へ攻撃を仕掛ける。
飛んでいる最中に翼を傷つけられれば当然バランスを崩し、今度こそ道化竜が墜落する。
轟音と共に地面と激突し悶える道化竜。その隙を俺たちが見逃すはずがなく、シズクとクラインたちのパーティが次々にソードスキルを叩き込む。
弱点の翼や顔を重点的に狙ったためかHPバーの半分ほどを削ることに成功したところで、落ち着いた道化竜が身体を一回転させ尻尾を用いた範囲攻撃を行う。
「うおっ!?」
だいたいのメンバーは回避できたが、僅かに撤退が遅れた二名が浅く攻撃を喰らい吹き飛ばされる。一撃で全損させられたわけではないが、それでも四分の一ほどが持っていかれている。浅く入ってこれならば直撃すればどうなるかは想像に難くない。
「HPが減った奴はすぐにPOTで回復!無事な奴は万が一のためにそいつらをカバーできる位置で構えてろ!」
「わかった!お前ら、なるべく距離取るぞ!」
戦場がまた空中に移動したのでクラインたちは一旦待機だ。天高く飛翔し懲りずにブレス攻撃をしようとする道化竜へもう一度ナイフを投げて暴発を試みるが、今度はやや狙いが逸れ頬の辺りで弾かれる。
範囲ダメージでさえ非常に強力な道化竜のブレス。HPに余裕があるならともかく、先ほどダメージを負ってしまった二人には致命傷になりかねない。
それはシズクも承知しているのか、クラインたちと距離を空けるように駆け出し、攻撃を反対側の壁へと誘導する。
結果、赤黒の炎は壁に当たって霧散した。そしてシズクはそのまま壁を駆け上り、道化竜へと向かって飛ぶ。
「落ち、ろぉッ!」
逆手に持った剣を鱗の薄い首元に深々と突き刺す。仮想データ上のMobとはいえ首は弱点だったのかHPバーが一気に二割ほど減り、今までより遥かに大きな悲鳴を上げた道化竜はシズクを乗せたまま墜落してくる。
再度地面と激突する道化竜。濛々とたつ土煙の中飛び出してくるシズクの姿を確認し、クラインたちに攻撃するように叫ぶ。
ダメージを負った二人の回復は間に合わなかったのか一度目より人数は少なかったが、それでも大量のソードスキルでの攻勢は確実に道化竜のHPを減らし、ついに最後の一本に突入した。
「全員退避!全力で逃げろ!」
俺に言われるまでもなく全員が足早に駆け出し、未知の攻撃へと備える。
(ここまで順調だ。だが、本番はここから……!)
敵の出方を注意深く観察しようと俺が気を張った瞬間。
HPバー
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