第1章
旧校舎のディアボロス
第8話 はぐれ悪魔祓い
[8/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ことだ。
だが、そんなリスクを犯してでも急がなければ、イッセーが危ない。
『好きにしろよ。言っただろ? 「今回は宿主さまの肉体を奪うつもりはないぜ。見てても退屈じゃなさそうだからな。だから、俺の力を遠慮なく使っていいぜ」てな』
「・・・・・・なら・・・・・・今回だけ遠慮なく使わせてもらう!」
俺は瞑目し、脳内で自分の体からオーラを発するイメージをする。
目を開くと、俺の体から緋色のオーラが放出されていた。
『緋霊龍の衣《アグレッシブネス・スカーレット》』──それが俺の神器の名前だ。
その能力は、神器に宿るドレイクのオーラを操ることだ。このドレイクのオーラは、それだけで攻撃性を持ったもので、触れさせるだけでもダメージを与えることができる。俺やドレイクは『緋のオーラ』って呼んでいる。
俺は緋のオーラで雷刃の刀身を覆っていく。
緋のオーラには、あらゆるものと混ざり合い、侵食する特性がある。いま、緋のオーラはただ刀身を覆うだけでなく、刀身と融合している。そうすることで、単純に覆うよりも、強度や斬れ味を強化できる。
「ハァッ!」
緋のオーラが刀身を完全に覆ったことを確認した俺は結界に袈裟斬りの一閃!
結界は斬られた箇所から崩壊していった。
思ったよりも脆いな? 張り方が不十分だったのか?
まぁいい。いまはイッセーだ。
俺は背負った鞘に雷刃を収めると、刀身強化とは別の音声コードを口にする。
「Attack!」
雷刃から俺の体へと電気が流れ込んでくる!
雷刃には刀身強化とは別に、肉体に帯電させて、身体能力を強化する機能がある。
普通の人間なら、肉体に並々ならぬ負担がかかり、最悪感電死しかねないが、俺は人よりも電気に強い体質で、そこまで問題なかった。──負担が大きいのは変わらないが。それと、もうひとつの欠点として、この状態になると、刀身が使えなくなってしまう。
俺は窓のカーテンのすき間から灯りが僅かに漏れている部屋を見つけると、その部屋の壁に向けて構える。
「猛虎硬爬山ッ!」
―○●○―
そのような感じで、この部屋の壁をぶち抜いて、いまの状況に至っている。
「──問答無用で襲いかかってきたから、返り討ちにした」
神父の質問に答えながら、雷刃を逆手持ちで構える。
さっきの身体強化の負担があったが、そこまでひどくないので、一応問題はなかった。
「チッ! 役立たず共が! ま、いっか。獲物のクソ人間が増えたってことだしぃ」
神父は
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ