第1章
旧校舎のディアボロス
第8話 はぐれ悪魔祓い
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り返事がない。
・・・・・・なんだ? それに、このいやな感じも?
正直、もう帰りたくなってきた。
でも、脳内に夕方部長に言われたことが思い出される。
──今度こそ、必ず契約を取ってくるのよ。私の期待を裏切らないで。
このまま帰ったら、いよいよ部長に合わせる顔がねえし、俺は意を決して、依頼者の家の中に入る。
「お邪魔しますよ」
灯りが漏れている部屋のほうに進んでいく。
この灯り、ロウソクかなんかか? 雰囲気でも作ってんのかねぇ?
「すいませーん──うぉわっ!?」
部屋の中に入ったところで、何か液体みたいなものを踏んでしまい、靴下が濡れてしまった。
「なんかこぼれて──」
靴下についた液体を手で取った俺は絶句してしまう。
これって・・・・・・。
ドロドロとしていて、鉄のような臭いがする液体──そう、血だった。
俺は床にこぼれている血の先を見る。
「なぁっ!?」
そこには逆十字の恰好で壁に貼りつけられた人間の死体があった!
たぶん、この家の住人、今回の依頼者の男性だ。
全身が切り刻まれ、傷口から内臓もこぼれている。太くて大きい釘で手のひら、足、胴体の中心が壁に打ちつけられており、それで壁に固定されていた。
「ゴボッ」
腹から込み上げてくるものがあり、思わず口を手で押さえる。
な、なんだこれ!? 普通の神経でじゃこんなことできねぇよ!?
「『悪い人はお仕置きよ』」
突然した声のほうを見ると、白髪の男がこちらに背を向ける形でソファーに座っていた。
「って、聖なるお方の言葉を借りて──みましたぁ♪」
男は首だけをこちらに向けて舌を出してニンマリと笑う。
十代くらいの若い外国人の少年で、結構な美少年だった。──浮かべた醜悪な笑顔でせっかくのイケメンが台無しだが。
「んーんー。これはこれは、悪魔くんではあーりませんかー。俺の名前はフリード・セルゼン」
礼儀正しく一礼をするフリードと名乗る少年。
だが、すぐふざけたように手足を躍らせ、礼儀正しい雰囲気をぶち壊す。
「とある悪魔祓い組織に所属している少年神父でござんす♪」
「神父!」
「まぁ、悪魔みたいなクソじゃないのは確かですが」
俺は殺された男性を指差しながら、少年神父に訊く。
「おまえがやったのか!?」
「悪魔に頼るなんてのは人として終わった証拠。エンドですよ! エンド! だから殺してあげたんですぅ! クソ悪魔とクソに魅入られたクソ共を退治するのがぁ、俺さまのお仕事なんでぇ」
そこまで言うと、神父は刀身のない剣の柄のようなものと拳銃を取り出した。さらに柄から光の刀身のようなものが出てきた。
「光の剣!?」
「
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