暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜赤と紅と緋〜
第1章
旧校舎のディアボロス
第8話 はぐれ悪魔祓い
[2/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
り返事がない。
 ・・・・・・なんだ? それに、このいやな感じも?
 正直、もう帰りたくなってきた。
 でも、脳内に夕方部長に言われたことが思い出される。

 ──今度こそ、必ず契約を取ってくるのよ。私の期待を裏切らないで。

 このまま帰ったら、いよいよ部長に合わせる顔がねえし、俺は意を決して、依頼者の家の中に入る。

「お邪魔しますよ」

 灯りが漏れている部屋のほうに進んでいく。
 この灯り、ロウソクかなんかか? 雰囲気でも作ってんのかねぇ?

「すいませーん──うぉわっ!?」

 部屋の中に入ったところで、何か液体みたいなものを踏んでしまい、靴下が濡れてしまった。

「なんかこぼれて──」

 靴下についた液体を手で取った俺は絶句してしまう。
 これって・・・・・・。
 ドロドロとしていて、鉄のような臭いがする液体──そう、血だった。
 俺は床にこぼれている血の先を見る。

「なぁっ!?」

 そこには逆十字の恰好で壁に貼りつけられた人間の死体があった!
 たぶん、この家の住人、今回の依頼者の男性だ。
 全身が切り刻まれ、傷口から内臓もこぼれている。太くて大きい釘で手のひら、足、胴体の中心が壁に打ちつけられており、それで壁に固定されていた。

「ゴボッ」

 腹から込み上げてくるものがあり、思わず口を手で押さえる。
 な、なんだこれ!? 普通の神経でじゃこんなことできねぇよ!?

「『悪い人はお仕置きよ』」

 突然した声のほうを見ると、白髪の男がこちらに背を向ける形でソファーに座っていた。

「って、聖なるお方の言葉を借りて──みましたぁ♪」

 男は首だけをこちらに向けて舌を出してニンマリと笑う。
 十代くらいの若い外国人の少年で、結構な美少年だった。──浮かべた醜悪な笑顔でせっかくのイケメンが台無しだが。

「んーんー。これはこれは、悪魔くんではあーりませんかー。俺の名前はフリード・セルゼン」

 礼儀正しく一礼をするフリードと名乗る少年。
 だが、すぐふざけたように手足を躍らせ、礼儀正しい雰囲気をぶち壊す。

「とある悪魔祓い組織に所属している少年神父でござんす♪」
「神父!」
「まぁ、悪魔みたいなクソじゃないのは確かですが」

 俺は殺された男性を指差しながら、少年神父に訊く。

「おまえがやったのか!?」
「悪魔に頼るなんてのは人として終わった証拠。エンドですよ! エンド! だから殺してあげたんですぅ! クソ悪魔とクソに魅入られたクソ共を退治するのがぁ、俺さまのお仕事なんでぇ」

 そこまで言うと、神父は刀身のない剣の柄のようなものと拳銃を取り出した。さらに柄から光の刀身のようなものが出てきた。

「光の剣!?」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ