第1章
旧校舎のディアボロス
第8話 はぐれ悪魔祓い
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深夜、俺はチャリをとばして、依頼者のもとへ向かっていた。
──小猫の召喚がまた重なってしまったの。今夜一件お願いできるかしら?
ていうことで、また小猫ちゃんへの契約が重なったので、片方を俺が行くことになった。
「それにしても、『兵士』かぁ・・・・・・」
下僕を持つには、上級悪魔にならなければならない。
最初から上級悪魔な部長と違って、俺たち転生者は力を認められ、昇格しなきゃならない。──だが、俺は『兵士』。最弱の駒。・・・・・・捨て駒じゃねぇか・・・・・・。
はぁ・・・・・・ハーレム王への道は遠いなぁ。
内心でため息を吐いていると、隣で走って俺と並走する明日夏が言う。
「『兵士』も別に悪いポジションじゃないと思うぞ」
いつものように、俺の身を案じてくれた千秋が俺の護衛につこうとしてくれたんだけど、「毎回毎回やってたら、身がもたねぇぞ」ということで、今回は明日夏が護衛についてくれることになった。
本人的には、こうしてチャリで移動する俺と並走することで、ついでで鍛錬になるそうだ。
「『兵士』には『プロモーション』ってのがあるんだ」
「プロモーション?」
「ああ。実際のチェスでもある相手の陣地に入った瞬間から、『王』以外の駒に昇格できる『兵士』の特性だ。相手の陣地ってのは、この場合、部長が敵地の重要な場所と認定した場所だな。例えば、昨夜の廃屋で部長が許可を出せば、おまえは『騎士』にでも『戦車』にでもなれるってわけだ」
へぇー、『兵士』にそんな特性があったのか。
でも、プロモーションできないと、結局は最弱の駒のままじゃねぇか。
やっぱり、ハーレム王の道は遠いなぁ・・・・・・。
そうこうしていると、依頼者が住んでる場所に到着した。
森沢さんのときとは違い、普通の一軒家だった。
「俺は外で待ってる」
「えっ、いいのか?」
「ああ。少し休憩がてらに夜風に当たりたいしな」
「ああ。わかった」
明日夏には外で待ってもらうことになり、俺は依頼者の家のインターホンを鳴らす。
けど、反応がなかった。
「ん?」
扉に手を掛けると、鍵がかかってなかった。
開けっ放しなんて、物騒だなぁ。
奥のほうを見ると、電気はついておらず、淡い灯りが漏れている一室があった。
「ちわーっス。グレモリーさまの使いの悪魔ですけど」
呼んでみるけど、返事がない。
「依頼者の方は──ッ!?」
中へ足を踏み入れた瞬間、なんか、いやな感じがした!
「・・・・・・いらっしゃいますかぁ?」
もう一回呼んでみるけど、やっぱ
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