460部分:第六十四話 サジタリアスの雷その五
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第六十四話 サジタリアスの雷その五
「貴様にだ」
「このミロ!?違うな」
その筈がないのはすぐにわかった。先のアーレスとの聖戦はそれこそ遥か過去のことである。それでサリアと戦っている筈がなかった。
「その時のスコーピオンの黄金聖闘士か」
「貴様であって貴様ではない」
「俺ではないというのか」
「それはわからずともいい」
そこまでは言わないサリアであった。
「だが。この魔の霧」
辺りを覆ってきたその独特の紫がかった紅の霧を見ながらの言葉である。
「どうやって凌ぐか見せてもらおう」
「いいだろう」
ミロはサリアのその挑戦を受けた。
「ではこのミロが貴様の技を。どうやって破るのか見るのだ」
「あの時は貴様に破られた」
不思議とその時のスコーピオンの黄金聖闘士と今のミロを同じものだとするサリアだった。
「しかし。今度はどうするのだ?」
「むう」
霧は次第に深まっていく。するとだった。
周囲に瘴気が漂ってきた。そしてあらゆるものが禍々しく変わってきた。
「岩や草までか」
「この霧の世界の中ではあらゆるものが私のものとなる」
サリアはまたしても静かに言った。
「そうしてだ。我が敵を倒すのだ」
「それが貴様の魔の力か」
「魔の力の一つだ」
あえて一つと言ったのであった。
「これもまたな。さあどうするスコーピオンよ」
無数の魔物と化した岩や草達をミロに向かわせながらまた問う。
「私のこの技、破ってみせるのだ」
「俺がこの技を破るのを期待しているようだな」
「この技は私にとっては技の一つに過ぎない」
サリアはまた言ってみせてきた。
「一つにな」
「その技を破れずして貴様を倒すことは適わないのだな」
「さあ、どうするのだ?」
問うその目が次第に強くなってきている。
「どの様にして破る」
「では。見せよう」
ミロは右手を前にゆっくりと出してきた。
「このミロの技もな」
「先程のスカーレットニードルだが」
既にその技は知っているサリアであった。
「先の聖戦でも見せてもらって知っている」
「そうなのか」
「今更出してもこの魔物達には通じない」
そのことを前以って告げてみせたのだった。
「これは言っておく」
「安心しろ。ここでスカーレットニードルを使う気はない」
それはないというのだった。
「このミロも他の技を持っていることは教えておこう」
「他の技をか」
「それで退けてみせる」
ミロはまた言った。
「これからな」
今まさにその技を使おうとしていた。ミロの右手の人差し指が赤く光った。するとだった。
「では見るのだ。このミロの新たな技」
「むっ!?」
「カルディアタカケオ!」
その言葉と共に爪から一条の赤い光を放つ。するとだ
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