第56話 家族
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落ち着くまで待とうかしら......
「たぁ!とぉ!」
風影の傀儡を操り、腕を前に突き出したたり素振りをするミサカを横目に御坂はため息まじりに一息入れた。
「!?」
急に御坂の身体が動かなくなり、目の前の時空が歪み出した。
サソリが使う空間転移に似ているが、凄まじい殺気が一点から拡張している。
「な、何が!?」
御坂は言うことを効かない身体を従わせようと力を込めるがサソリに繋がったままの携帯電話がするりと落ちた。
よくよく見れば傀儡を操っているミサカも身体のコントロールが出来ないようで冷や汗を流しながら、空間の歪みを見ていた。
一点から出て来たの写輪眼を移植したミサカの生首だった。
その髪を掴みながら『ゼツ』が3次元世界に這い出てきた。
「やあ、九九八二号」
黒白が身体の半身で別れ、背中から棘を出した奇妙な人間に御坂の生唾を飲み込む。
「ゼツ......様」
ミサカは息を荒くして震えた。
左脚に灼かれるような痛みが走る。
悪魔の実験は留まる事は無かった。
ゼツは手を伸ばすと、ミサカの金縛りを解く。
ミサカはフラフラしながらも懸命に二本の足でなんとか立っていた。
「さあ、こんな所に居ないで実験に復帰して貰おうかな」
実験?!
どういうこと!?
御坂は未だに解けない術に抗うように力を込めるが身体が石のように硬くなってしまったようで、声すら出せなかった。
足元には、微かにサソリの声が携帯電話から漏れている。
「はあはあ......ミサカは捨てられました」
「そんな事はないよ......君は貴重な資源(ゴミクズ)だからね」
耳まで裂け、鋭利な歯がギラギラと光り出す。
「サッサト殺サレテ来イ」
黒い半身が無機質な音域でミサカを見下すように言い放った。
「い、嫌です......ミサカにはしたい事が出来ました!」
ミサカは傀儡を片手にゼツに決死の猛抗議をした。
このまま行ってしまえば、殺されてしまう。
ミサカの言葉を受けても白い半身はニタニタと笑いながら、片腕に持っていたミサカの生首を目の前に差し出した。
「そうか」
「!?」
「断るなら、次にこうなるのはそこに居る御坂美琴かサソリかな。君が来れば手を出さないよ」
「貴様ハ死ヌ事ニ存在価値ガアル......真ッ当ニ生キル権利ハナイナ」
ゼツが印を結ぶと腕から鋭利な樹木が出現した。
「!?」
金縛りの術で動きが止められている御坂の首元に鋭利な樹木を向けた。
「見せれば満足するかな?」
血がタラリと御坂の首から流れ出して、首元の制服に染みる。
「あ......わ、分かり......ました。お願いします......お姉さまには手を出さないでください」
「うん、良い子だ」
満足そうにゼツが笑うと、信じられ
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