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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第71話:買い物日和って、どんな日和?
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ぁ……地位を盾にした脅しを入れたわ。
顔は笑ってるから冗談だろうけど、ウルフさんの事を知らない人からしたら真に受けかねないわ。

「ですが宰相閣下。先程、超イケメンの国王陛下が『台座は描いても描かなくても良い』って言ってましたぁ。宰相閣下より国王陛下の方が偉いから、どちらの命令を遵守するかは自明の理では?」
わぁ……エウカリスってば言うわねぇ。

「何だ、生意気な事を言う女が居ると思ったら、お前はキャバクラで働いてるサビーネじゃねーか! 本当にこの学校の生徒だったんだな。確か本名はエウカリス・クラッシーヴィだったよな。金づる手放したくなかったら、宰相閣下もイケメンに描くんだよ!」

「あれ以来お店に来ないクセに、金づる気取りですかぁ? 図々しくない!?」
「馬鹿野郎、俺はそんなに暇人じゃねーんだよ! あのアホ侯爵と一緒にすんな!」
「『アホ侯爵』ってカタクール候の事ですか?」
「他に居るか、あんなアホ?」

「私の目の前で頭に猫乗せてる生意気な小僧は?」
「俺は天才なんだよ。知らんのか夜の蝶のクセに!?」
よ、夜の蝶って……なんか怪しい言葉ね。

「私達夜の蝶は、金だけは持ってるエリート等を限度以上に酔わせてます。そして前後不覚に陥った所で、近況や情報を喋らせてます。なのにイケメン宰相閣下の天才情報が入ってこないって事は……」
「って事は、お前の魅力がスライムにも劣るって事だよ!」

「な、何でそうなるのよ!?」
「男ってのはな、如何に酔っ払ってても第二の脳(股間)の命ずる良い女には、格好を付けて持てる情報を全て吐露するモンなんだよ。だが、その第二の脳(股間)が反応しないって言うのであれば、情報暴露に値しない女って事だ。理解したか、夜の蝶よ」

「うわっ、こいつ腹立つ」
そんな事を言いながらエウカリスは頭の猫(ソロさん)と共に台座(ウルフさん)の絵を描き上げて行く。
二人とも笑ってるから、冗談を言い合ってる雰囲気が伝わってきた。

お店で1度だけ来店したお客さん(ウルフさん)と、こんなにも親しそうに会話する彼女が羨ましい。
私は毎週土曜日(偶に平日)に逢ってるけど、ウルフさんは私に酷い事を言ったりしないから……
愛されてるのは強く感じるけども、贅沢な悩みかしら?

「ウルフ閣下は彼女居るんですか?」
自習室のあちらこちらで彼等(ウルフさんと頭のソロさん)を描いてる他の生徒らも、二人の遣り取りで緊張が薄れたらしく、描く手は止めずに質問をする者も現れた。

「何だお嬢ちゃん……俺の彼女になりたいのか?」
「権力とお金を持ってるイケメンでしょ? うん、彼女になりた〜い!」
「……名前は?」
「はい。ルナリア・マルティス……ルナって呼んで下さいダーリン?」

「そうですかマルテ
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