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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
459部分:第六十四話 サジタリアスの雷その四
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第六十四話 サジタリアスの雷その四

 ミロはサリアと対峙していた。まずはサリアが言ってきた。
「その実力。流石だ」
「貴様もまた俺を褒めるというのか」
「如何にも」
 そうだというのだった。
「その通り。スコーピオン、貴様は確かに強い」
「そうか」
「黄金聖闘士だけはある。しかしだ」
「しかし?」
「その貴様も私に倒されることになる」
 こうも言うのであった。
「このサタナキアのサリアによってな」
「サタナキアにか」
「このサタナキアはだ」
 今度は己について語るサリアだった。
「術を使うことを得意としている」
「そうだったな。確か」
 ミロはそれを聞いてサタナキアという魔神についてあることを思い出したのだった。
「八大公はそれぞれ司るものがあったな」
「そうだ。ベルゼブブは闇、ベールは剣、アスタロトは氷、モロクは剛、ベリアルは炎、アスモデウスは星、ルキフグスは智をそれぞれ司っている」
 サリアの言葉によればそうなるのだという。
「そしてだ。このサタナキアはだ」
「術か」
「魔だ」
 それだというのである。
「魔を司っているのだ」
「それが貴様の力だというのだな」
「如何にも」
 自信に満ちた返答だった。
「その通りだ」
「ではこのミロにもその魔の力を見せるというのか」
「私の魔の力を見て生きて帰った者はいない」
 次第にその身体を赤い小宇宙で覆っていく。その強さも大きさもミロの黄金の小宇宙と比べて全く遜色ないまでのものであった。
「前の聖戦における貴様達以外にはな」
「黄金聖闘士以外にか」
「そうだ。思えばだ」
 サリアの目が鋭く光りはじめた。
「あの聖戦においてもだ」
「先の戦皇アーレスとの聖戦か」
「そうだ、その聖戦だ」
 まさにその聖戦だというのだった。
「あの時には貴様等をあと一歩まで追い詰めた」
「しかしだったな」
「私の技は貴様等に破られた」
 そのことをこれ以上はないというまでに悔しがる言葉だった。
「そのこと、死んでも忘れはしない」
「そして今ここにいるのだな」
「そうだ、スコーピオンよ」
 ミロを見据え続けながらの言葉であった。
「私の力、受けてもらうぞ」
「その魔の力をか」
「我がサタナキアの力」
 己が司っているその魔神の力である。
「それを今見せよう」
「来たか」
「受けるがいい」
 言いながらだった。その左手を前にやる。手は半ば開きその爪が赤く禍々しく光っていた。それはまさに血の色であった。
 その血の色の爪を見せてだった。サリアはその左手を前に突き出してきた。
「クリムゾンミスト」
「霧か」
「只の霧ではない」
 その濃い独特の赤、いや紅に近いその色を出してだった。サリアが言った。
「この霧はだ」
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