闇-ダークネス-part3/繰り返される別離
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レイダーの一員に任命することが決定されました」
「何…ナイトレイダー…!?」
まさか、とシュウが思うと、松永はそのときの彼の考えていることを読み取り、説明した。
「ええ、あなたには前線に赴き、ビーストを殲滅する任務についてもらうのです。
あの少女の仇を討つことが、できるのですよ?」
「…私は確かに、ビーストが許せません。ザ・ワンが現れたあのときから…でも、何より許せないのは、自分自身です」
ビーストを、愛梨を殺した仇と言われたが、シュウはそれ以上に、ふがいない自分が許せなかった。ビースト殲滅兵器を作り出したことについては成果はあったかもしれない。でも、それ以上に失敗と最悪の結果ばかりを残してきた身の自分だ。何も誇れなかった。
「それに私は、愛梨の治療費のために窃盗や詐欺事件を起こしています。そんな履歴を持つ人物を味方に引き入れるというんですか?」
「ご心配なく。あなたが起こした犯罪行為についてですが、我々TLTの方で処理をしております。あなたの戦地での新兵器テストでの失態と、日本で少女の治療費を稼いでいた件の責任の一端は、我々TLTにとっても無視できないことですので。
何より。TLTの機密でもあるプロメテウス・プロジェクトで誕生したあなたをこのまま野に放つことも、機密漏洩の危険がありますからね」
最後の切り替えしを聞いて、シュウはなるほど…と思った。自分もTLTの傘下にいた身だから、機密情報の重要性はわかっている。どのみち自分に断るという選択肢などないことも理解した。
「…いいでしょう、やります。どうせ、俺には…これしか選択する道しかない」
シュウはナイトレイダーとなることを決めた。
姫矢、セラ、研究に関わって着てくれた仲間たち、紛争地帯の人々、そして愛梨…。
自分が関わってきた人達が傷つき、果ては死んでいった…
何人もの人達が俺と関わったせいで…いや、自分が死なせ傷つけてしまったんだ。
その人たちに対して償う方法…それがナイトレイダーとして戦うこと、ビーストとの終わりのない、命を賭した戦いだというのなら…。
そんな彼の胸中を見抜いていたような目をしていた、よい返事をもらえた松永は確かな笑みを浮かべた。
「配属先については、あなたの成果と今後の我々の状況次第とします。期待していますよ」
それからシュウは、ナイトレイダーとしての訓練に勤しんだ。
ダムのそばに設置された螺旋階段の往復、まるで自衛隊訓練のごときサバイバル訓練、体力にも精神にも堪えてくるものが多かったが、それでもシュウは、『罪を償う』という強い目的意識のもと取り組んでいった。
やがて、ナイトレイダーに所属していた、とある隊員の裏切りが露見し、その直後に起きたTLT史上最大の戦いの後、シュウはその後釜として、ナイトレイダーAユニットの隊員として
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