闇-ダークネス-part3/繰り返される別離
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のように蘇った。
ザ・ワンに蹂躙される自衛隊や新宿の街の人たち。
戦場で出会った少女や、目の前で彼女を失った姫矢。
自分の腕の中で死んでいく愛梨。
ラ・ロシェールでラフレイアの爆発から守りきれなかった人たち。
消したくても消せない心の影が浮かび上がる。
「俺は…俺自身が、みんなの平穏を乱す存在になることが怖いんだ」
そして、今もどこかで生きて、彼の身を案じるティファニアたちウエストウッド村のみんなや、故郷で自分が行方不明になって身を案じているであろうナイトレイダーのメンバーや憐たちに遊園地のバイト仲間たちの顔も過ぎった。その人たちまで、自分と関わったせいで命を落としたり傷つくことになる。そう考えると、不安と恐怖、そして自分に対する怒りや絶望やらが湧き上がって消えないのだ。
「いいか、シュウ。お前が自分と関わった人たちが傷ついたりするのが怖いのはわかる。でも、誰だってそうじゃないか? それでも人がどうして当たり前のように、新しい人たちと出会い、互いに支えあって前に進むかわかるか?
『それが、人間だからだ』」
「人間、だから?」
「ああ。っても今のは父さんの受け売りだけどな。
お前はウルトラマンである以前に、ただの人間なんだ。だから、誰かの傍にいたっていい。救われるのを求めてもいい。だからよ、償いとか罪とか…そればっかりに囚われて心を閉ざすことだけはやめとけ。つーか、なおさら自分の未来からも、自分と関わった人たちの存在や思いから目を背けんな。
人は夢が続く限り前に進むことができる。どんな困難にも何度だって挑戦できる。だから…
終わったなんて言っちゃ駄目だ!」
「アスカ…」
罪を感じるなら、償うくらいなら、寧ろ終わってはならない。前に進まなければならない。
シュウの心の中に、何かが湧き上がるのを感じた。
それはこれまで罪や後ろめたさばかりを積み重ねてきた自分に対する絶望の闇などではない。
本心ではずっと求めていた、『光』だった。
その時だった。二人の目の前に立っていた扉が、突如ガタン!と音をたてて開かれた。
しかもそれだけじゃない。
開かれた景色は、荒れた広野と暗い闇の世界だった。
「な…どうなってんだ!?」
「これはダークフィールド!?まさか…」
闇の巨人たちが展開する、闇の亜空間。これを使えるやつなど限られている。
「夢か…確かに夢はいいものだな」
「「!!」」
嫌悪感さえいだくほど、ぞっとするような男の声。二人は振り返った。そこにあったはずの地下施設への扉はなかった。
代わりに、会いたくなかった強敵の姿がそこにあった。
「だが、俺の夢はお前たちのような生ぬるいものなんかじゃない。血を血で洗う。まさに生物の心理ともいうべき闘争本能に忠実なものだ」
白炎のメンヌヴィル、ダークメフィ
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