闇-ダークネス-part3/繰り返される別離
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ウは、やむなく己の手のみで働くことにした。
しかし、シュウ一人の腕では限界があった。遊園地のバイトも安月給ではないのだが、癌を取り除くほどの手術となると金が莫大にかかってしまったのだ。
だから…シュウは時折、ちょくちょく適当な店を訪れては、なんと盗みを働いたのだ。そして盗んだものを雑貨店や古本屋に売りつけて、愛梨の治療費をちょくちょく溜め込んでいった。
時には詐欺事件を起こしたりもした。
愛梨の病は進行していくが、シュウは何日も寝る間も惜しんで働き、時に非行を働いて金を稼いでいった。
憐たちにも、無論愛梨にも伝えなかった。
たとえこのことが誰かにばれてしまったとしても、シュウは愛梨のためなら己の手を汚すことも、いずれ自分が罪人として咎められることも厭わなかった。
愛梨だけは、絶対に失いたくないという思いが、シュウの頭を支配した。
そしてある日、ようやく彼は愛梨の手術に必要な治療費を全て稼ぎきった。
「愛梨、安心しろ!お前は助かる!」
金を全て手に入れたシュウは歓喜に満ちた様子で愛梨に報告した。
「久しぶりに見たな…シュウの笑顔」
シュウの喜びに満ちた明るい笑顔を見て、愛梨は安堵したように息を吐いた。
「私はね、自分が助かることなんかより、シュウがまた笑ってくれるほうが…ずっと幸せだな」
逆に彼女は、シュウが久しぶりに笑みを見せたことに対してうれしさを露にしていた。
「…何馬鹿を言うんだ。俺の笑顔一つのためなら命なんか惜しくないってのか」
自分の事に関してはあまり価値を見出さないのか、シュウは呆れ気味に言った。
「私が、どうしてあなたの仕事を手伝いたいって申請したと思う?」
いらずらっぽく笑みを向けてきながら愛梨は尋ねてきた。
「でも、ありがとう…シュウの気持ちも、わかってるつもりだから…ね?」
「…止せよ。背中がかゆくなるだろ」
愛梨は、ここまでシュウが自分のために体を張って働いて着てくれたのか、その理由に気づいていたに違いない。それを見抜かれていたこともあり、シュウは自分の頬を掻き、照れた。
後は、手術を待つだけだった。
これが成功すれば、愛梨ともっと長い時を、一生分の時を過ごす事ができる。
……そう思っていた…。
手術当日、シュウは愛梨の手術の成功を見届けるために、早めに遊園地のバイトを切り上げた。
その日の夜は雨だった。冷たい雨が降り注いだ。
「嫌な雨だな…」
妙に嫌な感じがする。夜の空を覆いつくした雲から降り注ぐ雨を浴びながら、シュウはバイクに乗って、急いで病院へ向かおうとした。
だが、病院から程近い裏路地にたどり着いたところで、彼の道を阻んできた男たちが現れた。
「そこの君、ちょっといいか?」
スーツやコートで実を覆ったその男たちが何者なのか、そして今の質
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