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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二十三話 恐怖を超える想い
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い。

 だからこそ、彼を傷つけたのだからこそ、簡単に諦めるなんて許さない。

 私に殺されそうになっただけで諦めるなんて許さない。

 私に戦闘不能になる一撃を受けただけで諦めるなんて許さない。

 私が彼女より強いからって諦めるなんて許さない。

 ――――今、この戦いの中で諦める理由なんて一つもないはず。

「諦めるなんて、この私が許さない」

 だから私は彼女の前に立ちはだかる。

 これが結果として彼女を殺すことになって、黒鐘に恨まれることになっても構わない。

 全てはただただ、私の自己満足とエゴなのだから。

「最後にもう一度言う。 立ちなさい、フェイト・テスタロッサ」

 私の感情に、想いに応えるかのように、私の周囲に白い霧のようなものが発生する。

 これは私の持つ魔力変換資質/凍結による副産物。

 白姫の刀身は魔力変換資質の影響を受けて氷の刃に変化する。

 これはただの氷と違って、普通の熱では溶けることがなく、触れるもの全てを凍結させる刃。

 白姫の本当の姿は、その一突きで全ての時間を停止させる刹那の刃。

 ここで彼女が負けると言うことは、彼女の想いが止まると言うこと。

「っ……ぐ……うぅ……!!」

 彼女は……フェイトは、全てを察したように立ち上がる。

 武器を支えに立ち上がる姿は、少し押せば倒せそうな脆さがあるけど、彼女自身の瞳は決意に満ちていた。

 そして鎌の形態となったデバイスを後ろに振り上げ、戦う意思を示す。

 ふらついて不安定な体勢。

 きっと、あと一撃で私の勝ちは決まる。

 ここで終わるのか、はたまた逆転してみせるのか。

 不思議とそれを気になって仕方のない自分がいる。

 私は凍結の刃を携え、トップスピードで彼女へ突撃する。

 この牙突は防御すらも凍結させ、貫通させて直撃させることができる。

 求められるのは回避のみ。

 だけど、簡単には回避なんてさせない。

「はぁあああッ!!」

 力強い呼気と共に、まだ間合いにも入っていない状態で私は牙突を放つ。

 放ったらすぐに戻し、もう一度、さらにもう一度……。

 牙突を前方の全ての範囲内に広げるように放って行くと、斬撃は残影としてハッキリと残る。

 そこに凍結を込めた魔力を流し込むことで固定……無数の突きを作り出すことができる。

 ――――『雪時雨(ゆきしぐれ)』。

 そう名付けた技は、広範囲に弾幕のように凍結型牙突を放ち、空間に固定することで一度に大量の突きを放つことができる技。

 普通の牙突ではその一撃の回避に集中すればよく、しかもレイピアと言う細剣の性質上、回避する幅は小さい。

 回
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