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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二十三話 恐怖を超える想い
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まだ抵抗があるのか。
どちらにしても、彼女の心は今、かなり不安定。
「ジュエルシードは、私達の目的。 邪魔はさせない」
「あなた、本気なの?」
彼女の瞳は、黒鐘と初めて対峙したあの時と同じ、孤独の目をしていた。
それが彼女の選んだものだとしても、それを正しいだなんて思わない。
少なくとも私は、いいえ、私と黒鐘は否定する。
だからこそ、
「うん。 だから邪魔をするなら、容赦しない」
「そう。 なら、あなたは後悔する」
私は力で思い知らせることにした。
私は彼と違って言葉足らずだから。
私は彼と違って彼女に大した情もないから。
「私は彼と違って優しくない」
私は左手を前に伸ばし、そして素早く後ろに下げ、左足を後ろで右足を前に出して腰を低くする。
それと同時に足元に藍色の魔法陣が出現し、そこから粒子状の光が左手に集まる。
「凍てつき貫け、
白姫
(
しらひめ
)
」
左手に集まった粒子が弾けると、そこから氷の細剣が姿を現す。
エストック型の細剣は、私が持つ固有魔装/白姫。
それを手に持つと同時に、私の衣服は雪のように白い浴衣を蒼い帯でとめてある和風の姿に、洋風の剣と言うアンバランスさがある。
五年前の私は彼に、黒鐘に細剣、レイピアを見出してもらう前は刀を振るっていた。
それが私に向いてないと言われて、否定して、認めて、受け入れて、そしてレイピアと言う道を選んだ。
黒鐘がいたから見いだせた、私だけの道。
白姫を使うのは一年ぶりで長いブランクがある。
けど、鍛錬そのものは怠ってない。
全てはこの時のために。
実家の跡を継ぐためじゃない。
正義でもなく、悪でもなく。
ただ、大切で愛おしい彼のために――――。
「覚悟」
「ッ!?」
私は初歩から全力で踏み込み、ジェット機のような音を立てながらフェイトの懐に入る。
そして右足を横向きで前に踏み込み、勢いをそのままに突きを放った。
「牙突ッ!」
「ぐっ!?」
心臓に向けて放ったそれは、ギリギリで彼女のデバイスの魔力刃で防がれた。
しかし私はすぐに腕を後ろに引き直し、再度同じ突き技を放つ。
――――牙突。
獅子の牙が喰らうが如く放つ突き。
私の得意技にして突きの基本、そして奥義。
奥義の全ては基礎・基本が原点なのは全ての流派に通ずるもので、私の牙突は純粋な突きを奥義に至るまで昇華させたもの。
だからただの突きと思って対応しても無駄。
光速の牙は獅子の如く、相手を喰らうまで追いかける。
「キャアッ!!」
二度目の突き
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