457部分:第六十四話 サジタリアスの雷その二
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第六十四話 サジタリアスの雷その二
四人の攻撃がほぼ同時にアイオロスを攻めた。だがそこにアイオロスはいなかった。
「消えた!?」
「まさか」
「一体何処に」
四人の攻撃が炸裂したそこにはもうアイオロスはいなかった。誰もいはしなかった。
「いないだと!?」
「何故だ」
「何処にだ」
攻撃を放ち終えた四人はそれぞれの場で動きを止めてそのうえでアイオロスを探す。
だが彼は何処にもいない。その小宇宙さえ感じなかった。
「死んだ!?」
「いや、違う」
今のヴェガの言葉はジェシーが否定した。
「サジタリアスは生きている」
「生きている!?」
「まさか」
彼の今の言葉にアーキスとフラウが疑問の言葉を述べた。
「そんな筈がありません」
「あの男は今ので絶対に」
「いや、見るのだ」
ジェシーは二人に対しても言った。
「あれを」
「あれ!?」
「あれとは」
ジェシーが指差したのは先程までアイオロスがいた場所だった。しかしそこには何も残っていなかった。何一つとしてだった。
「血の一滴も残っていないな」
「確かに」
「それは」
「死んだのなら、攻撃を受けたのならばだ」
また言うジェシーだった。
「血が必ず残っている筈だ」
「しかしそれはない」
「ということは」
「サジタリアスは生きている」
ジェシーは確信していた。
「それは間違いない」
「ですが一体何処に」
「あの男は」
「いない」
今言ったのはヴェガだった。
「生きているとすれば何処に」
「それはわからない」
それはジェシーにもわからないことだった。彼にしろその目で周りを探っている。しかしアイオロスの姿は何処にも見えなかった。小宇宙も感じない。
「だがこの近くにいる筈だ」
「そうですね。それは」
「ですが」
他の狂闘士達も探す。だがアイオロスの姿は何処にも見えなかった。
その彼等の前にだった。不意に。
「危ないところだった」
アイオロスは次にこう言った。
「だが私はこうして生きている」
「くっ、何故だ」
「我等の攻撃を受けた筈」
「それが何故」
「翼だ」
アイオロスは目を顰めさせて問う彼等にこれを出した。
「翼によってだ」
「そのサジタリアスの翼か」
「それでなのね」
「そうだ。翼のある黄金聖衣はバルゴとこのサジタリアス」
その二つだというのだ。
「そして身にまとっているのは」
「貴様だけだと」
「そうだというのだな」
「そういうことだ。その翼が私を護ってくれた」
アイオロスはあらためて彼等に話す。
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