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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百九十七話 謀略の渦
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そうな表情をしている。

「……なるほど、良く分かった。ところで今回の長老会議を使うというのもヤン提督の考えかね」
「その通りです。ヤン提督はフェザーンと帝国の関係が悪化している事を重視していました。色々と対策を考え我々と連絡を取り合っていたのです」

「ほう、驚いたな。帝国のヴァレンシュタイン元帥が策士だとは聞いていたが、ヤン提督もなかなか……、ひけをとる者ではないな」
ホアンが嘆声を発した。それにつられる様に部屋に笑いが起きた。トリューニヒトも笑いを浮かべている。

「……ボロディン本部長、グリーンヒル総参謀長。君達が有能なのは良く分かった。だがもう少し我々に打ち解けてもらいたいものだ。劣勢にある以上協力は必要不可欠だろう。頼むよ」
「……」

トリューニヒトの笑いを含んだ言葉に、ボロディン本部長、グリーンヒル総参謀長が無言で頭を下げた。笑いを含んではいるがトリューニヒトは内心では苛立っている。これまでの事が有るとはいえ、軍の積極的な協力が欲しいに違いない。

ヤン・ウェンリーか、どうやら彼が軍部でのキーマンのようだな。有能ではあるが我々に対する警戒心がかなり強い。シトレ経由で彼の考えを積極的に聞き出すべきかもしれない。直ぐ実行するべきだろう……。


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