第12話 思想
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る〔気配察知〕に、クラインが引っ掛かった。
一応魔法はあるが、絶対ではないと俺は思っている。
さらに、影は俺の切り札になる存在。
まだ信用していない人間に晒すつもりはない。
ノイも例外ではない。
当然だが俺は、他人をそう簡単に信用するつもりはない。
それが借りのある相手だとしても、ヤッた相手であろうともだ。
この性格のお陰で、前世の大人からは「何を考えているか分からない」とよく言われた。
それを聞いた時、俺は正直に「何当たり前のことを言っているんだ」と思ったものだ。
信用していない人間に、ベラベラと自分のことを話すわけがない。
そんなことをするのは子どもくらいだ。
それを苦に思ったことは無い。自分が信用できない人間に、自分を理解してほしいとは欠片も思わないし、考えない。
同様に、自分が信用していない人間に、信用して欲しいとも思わない。
そんな傲慢なことは言うつもりはない。
人間ほど汚い動物はいない。
騙し、欺き、嘘を吐き、裏切る。
嫌だね、人間ってのは。
明日の決闘。正直、金は惜しいがそこまでして勝つ気は無い。
クラインという、慣れた人間の補助があれば旅をしやすいのは確かだ。
だが、それはそれで弊害もある。
俺は善人じゃない。それは断言できる。
俺の基本理念は、損得だ。メリットとデメリットを考える。
よほどデメリットが大きくない限りは気分で動くこともあるが、事によっては邪魔な人間を殺すことも考えている。
クラインみたいな人間が、こんなことを容認するとは思えない。
いずれ、障害になる。
……何か色々語っちゃったけど、あくまでも予想だ。
まあ、クラインに色々と奢ってもらった状態で言うのも変な話だけどな。
そもそも人を殺すなんて面倒なこと、出来ればしたくない。後処理とか面倒だろうし。
俺は使っていた魔法をすべて解除すると、戻って来たクラインに手を上げて応えるのだった。
ちなみに、クラインが買ってきたのはサンドウイッチのようなものだった。
中々、美味かった。
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