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第八話
第八話 要は度胸
さて練習をしているうちに。皆に曲を聴かせたくなってきた。
「けど問題はねえ」
六人はここで問題にぶち当たった。
「何処で演奏する?」
「コンサート会場とか?」
「どうやって演奏許可してもらうのよ」
梨花が華奈子に突っ込みを入れる。
「まだデビューも何もしてないのに」
「そうか」
「じゃあコンサートに応募してみる?」
ここで美樹が言った。
「応募かあ」
「やっぱりそれよね」
現実的なその案に皆納得した。
「じゃあどれに応募するの?」
「私がいいとこ知ってるよ」
春奈にそうしたことに詳しい美奈子が答えた。彼はコンクール等に出ているからそうしたことも知っているのである。
「それじゃあ美奈子ちゃんにお願いね」
「任せて」
美奈子はそれに応えてウィンクをした。
「そこはね。けど」
「けど?」
五人は美奈子の言葉に反応した。
「けれど当たるかどうかはわからないわよ」
「当たるかどうかって」
「抽選形式なのよ、そこ」
「抽選」
「そりゃまずいわね」
急に暗雲が立ち込めてきた。
「外れたら」
「まあ他にもコンサートはあるけれど」
「それでもね」
「とりあえず抽選に受かりたいわね」
「そうよね」
問題はそこであった。
「どうする?」
「どうするって言っても」
実際どうしていいかわからない。
「抽選なんてあたし達の魔法じゃちょっと」
「だよねえ」
「じゃあ私が行くわ」
「赤音ちゃん」
意外な人物が名乗り出てきた。
「私くじ引きとか強いのよ」
「やれるの?」
「うん」
自信に満ちた笑みであった。
「任せて」
「じゃあ頼むわよ」
「絶対にね」
「うん」
まずは第一の関門であった。くじ引き。今そこに一人の小さな魔女が立ち向かう。
第八話 完
2006・9・5
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