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第五話
第五話 魔法と音楽
次の日からバンドの練習をはじめる五人。ただそこで問題が一つあった。
「ねえ」
赤音がまずそれに言及してきた。
「魔法はどうすの?そっちもやらないと」
「うっ」
「そういえば」
華奈子と美樹がそれを聞いて声をあげる。
「そうよね」
「魔法もちゃんとしないと」
春奈と梨花もそれは忘れていた。正直最近音楽のことだけ考えていたのだ。
「けれどねえ」
「今は」
音楽をはじめたばかりだ。そちらがまだままならないのだ。そこに魔法もとなればやはり困ったことになる。だが。今彼女たちは五人ではなかった。ここには美奈子もいたのだ。
「それならいい解決の仕方があるわ」
「美奈子」
華奈子が彼女に顔を向けた。続いて他の四人も。
「どうするの、一体」
「一緒にやればいいのよ」
「一緒!?」
「そう、一緒にね」
美奈子は神秘的な笑みを浮かべて五人に言った。
「音楽するでしょ」
「ええ」
美奈子は実際にここでフルートを吹きはじめた。曲によって美奈子はフルートを、華奈子はサックスを吹くようにしたのである。これも音楽の幅を広げる為である。
「その時に一緒に。こうやって」
曲に合せて音符を出す。それを宙で躍らせている。
「私だったらこうすればいいし皆だと」
「そうか」
「魔法で」
「お水や風や光を使えば」
「ステージを動かしたり」
「そうそう」
「火を使ってね。花火みたいにして」
「そうしたら魔法の練習にもなるわ。それに」
「それに?」
「これって絶対に目立つわよ」
美奈子はその神秘的な笑みを浮かべてまた言った。
「そうしたら」
「バンドも人気というわけね」
「そういうこと」
「じゃあそれでいきましょう」
リーダーの梨花が言った。
「魔法の練習と合わせてね」
「了解」
「それじゃあ」
華奈子をはじめ他のメンバー達もそれに頷く。これでまた一つ方針が決まった。
こうしてまた一つバンドの幅が大きくなった。魔法とミックスさせた本格的なバンド『クラウン』、彼女達の始動ははじまったばかりであった。
第五話 完
2006・8・23
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