“一緒”
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ない。青年はそう考えると、大きく息を吸い込む。
「当たらない!!」
一か八か、思い付きで出てきた単語に全てを賭ける。そのスペルをコールした時、トドメを刺そうと接近していた少年が・・・
「いっ!?」
カチッ
空中でその動きを止めた。しかも、それだけでは終わらない。
「きゃああ!!」
先ほどまでどれだけ攻撃しても一切当たらなかったはずの少女に、カグラの剣が直撃したのだ。それも、シリルのスペルが看破されたのと同時に。
「なるほど・・・思い切ったことをするな」
この日初めて攻撃を受けた少女は、予想できていなかったために攻撃が直撃した後バランスを整えることができずにお腹から倒れてしまう。カグラは彼女の右肩についている弱点バッジに攻撃しながら、ようやくわかった少女のスペルに感心していた。
「まさかシリルと同調のスペルを使用するとは」
『ウェンディ選手!!弱点部位へのダメージにより退場です!!』
ウェンディの5スペル“水竜と一緒”。それはシリルのスペルである“当たらない”と同調し、絶大な効果を発揮していたが、リオンにより彼のスペルが封印されたことで、一切の効力を失ってしまった。
「アイスメイク・・・氷聖剣!!」
そして10秒間の硬直に入ったシリルに、戦っていたリオンが弟弟子の魔法を真似た剣を作り、弱点部位を貫いた。
「終わった・・・」
敵プレイヤーを倒したことに安堵し、達成感に浸りながら空を見上げる氷の魔導士。そして、最後を決めた彼の元に歩み寄ってくる女剣士。
「逆転勝利・・・といったところか」
「あぁ。全く・・・あんなスペルを作りやがって」
一時は魔法が当たらずどうすればいいのかわからなくなり、やけになっていただけにこの勝利に二人は安堵していた。しかし・・・
『シリル選手!!弱点部位へのダメージにより、レオン選手!!退場です!!』
突如流れた不思議なアナウンスに、二人の思考が暫し停止してしまった。
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