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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
“一緒”
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向かってきていたのであっさりと防ぐことができたが、状況が決してよくないことから彼の表情は厳しかった。

「天竜の砕牙!!」
「くっ」

そして、こことは別のところでは藍髪の少女と黒髪の人魚が戦っているのだが、そちらでも同様に、実力があるはずの人魚が押されていた。その理由は、少年と同じく天竜が次々に攻撃を交わし、技を繰り出すことができるからだ。

(一体どんなスペルだ?攻撃完全避?いや、なんか違う気がするな)

途中までは今挙げたスペルでもいいと思っていた。しかし、たった今シリルが見せた行動のせいでその確信が揺らいでしまう。

(俺の攻撃からシリルを避けていた・・・つまり、“回避”系のスペルではない。もっと別の何か・・・)

候補を絞ることができそうでできないことに、苛立ちを覚え始めている氷の魔導士。彼はダメ元で両手を合わせ、次の技を繰り出そうとする。

「アイスメイク・・・スノードラゴン!!」

素早く繰り出すことで避ける時間をなくそうとしてみるが、案の定シリルに攻撃が当たることなく、そのすぐ脇をすり抜けていってしまう。

「クソッ!!ダメか!!」

思わず物に当たりたくなる衝動を呑みこみ、向かってくる水竜から急いで距離を取り魔法を放たせないように対処する。しかし、それはただの応急措置にしか過ぎず、何の解決にもなっていないことを彼はわかっていた。

(トビーが来てくれればもしかしたらいけるかもしれないが・・・)

“絶対無敵強”により強化された仲間ならあるいはと希望を抱いていたが、その希望を打ち砕くアナウンスが鳴り響いた。

『トビー選手!!弱点部位へのダメージにより退場です!!』

この声に劣勢の人魚の鱗(マーメイドスケイル)の二人の表情がさらに険しくなった。必勝を期待していた仲間が退場させられたことに驚き、ますます厳しい展開になったことに冷静さが失われていく。

「この!!」

なりふり構わず拳を振るったリオン。普段の佇まいからは想像できないような攻め方をしてきた彼にシリルは驚きながらも、軽く交わして拳を頬に叩き込む。

「なぜだ!!なぜ当たらな・・・!!」

倒れそうになりながら思わず悔しさで叫びそうになったリオンは、咄嗟に出た言葉であることに行き着いた。

(攻撃が“当たらない”?確かに五文字ではあるが・・・しかし、そんなことあり得るか?シリルがそんなスペルを選ぶか?)

もしかしたらという想いと、いやまさかという想いが入り乱れる。堅実な彼らがそんなスペルを選ぶかどうかで、青年の頭の中はグチャグチャになっていた。

(これが正解かなんて俺にはわからん。だが・・・試してみる価値はある!!)

このまま何もしないより、どうせならダメ元で足掻いてみるのもいいかもしれ
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