“一緒”
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あれはまだイメージが出来てなかったらしいから」
文字が被ってなければ特殊能力を発動させることはできる。しかし、能力の使用者の中でその特殊能力のイメージができていないとちゃんと効果を発揮できないことになっている。それゆえに開始早々のミリアーナの“尻流亀甲縛”で彼は捕まってしまったわけだが、その後はカグラの攻撃をまだ一撃も受けていない。
「しかし、一体どんな五文字なんだ」
「だから!!シリルと一緒だって!!」
「そのシリルのスペルがわかんねぇんだよ」
敵の攻撃を容易く交わす二人のスペルが何なのか、気になって仕方ないユウカと先ほどから同じことを繰り返すソフィアは少々口論のようになっている。その二人の間に挟まれているミリアーナは、自分は関係ないと言わんばかりにシカトを貫くことにしていた。
シリルside
青年の手を借り立ち上がった女性は、乱れた衣服を整え次なる展開へと備える。
「ソフィアやられちゃったんだ」
「カグラさん相手に一人はキツかったんだね」
一方こちらは後ろからやって来たシェリアとウェンディが横に並び、新たな陣形へと変化する。一人やられて三人になっちゃったから、ここからは俺も積極的に戦いに参戦しないといけないな。
「カグラ、いい作戦を思い付いたんだが、やってみないか?」
「作戦?」
こちらに注意は向けたまま、カグラさんに何かを耳打ちしているリオンさん。その姿を見てシェリアの表情が険しくなったけど、やっぱり彼女はリオンさんも捨てきれてないんだ。そりゃあレオンがあんなに鈍感じゃ心変わりもしたくなるよね。
「ほぅ・・・悪くはない作戦だな」
「そうだろ?」
リオンさんが思い付いたという作戦を聞いたカグラさんはそれに賛成の様子。二人は視線を交わし合い小さくうなずくと、なんとカグラさんがこちらに全速力で突っ込んできた。
「カグラさん!?」
「リオンさんじゃなくて!?」
これに驚いたのは滅竜魔法を操る二人の魔導士。だって本来なら守られて然るべきのプレイヤーを最前線で戦わせ、サブであるリオンさんが後方にいるなんておかしい以外に言葉が見つからない。
「二人とも!!驚いてる場合じゃないよ!!」
何を狙っているのかわからず動揺している俺たちの前に立ち、守りの体制を作る天神。彼女の声で正気を取り戻した俺たちも、何が起きてもいいように姿勢を作る。
「怨刀・・・」
わずかに上体を下げながら突撃してくる敵プレイヤーを前に、思わずソフィアを仕留めたあの技が脳裏をよぎる。あの速度であのパワー・・・放たれたらどうしようもない。
「あたしに任せて!!天神の・・・」
繰り出そうとしている技の一部始終を
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