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嫌われの忌み子あれば拾われる鬼子あり
第1章 番外編 白鬼と神速
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っくり休んでください」

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シグレが目を覚めた時には傷は全て塞がっていて痛みもない状態だった。

「クレハ?」

「はい」

シグレの頭を膝に乗せて寝かせていたクレハにシグレは声をかけた。

「俺は勝ったよな?」

「はい、シグレの勝ちですよ」

「そうか…ボロボロだったけどな。死にかけたし」

「それでも勝ちは勝ちです。私は手加減どころか全力を尽くしました」

「それでも、お前が負けを認めなければお前が勝ってたのにな」

「私はあの状態になった時は負けです。そう、決めていましたから。シグレも知っていたはずです」

「そうだけどよ…」

そのやりとりにシグレは不満を感じていた。

「シグレ」

「…何だ?」

「私は貴方に負けました。なので、私はこれから貴方を主として仕えます。それが、負けた者の務めです」

「………」

クレハの膝から降りて、クレハの正面に座る。
その光景をじっと目で追いシグレの顔を見ていた時クレハはシグレに額を小突かれた。

「いたっ…」

「なーに言ってんだよお前は」

「何って…」

「何でお前が俺に仕えるんだよ。嫌だぜ俺は」

「でも」

「俺はお前とそんな主従とかじゃなくてよ…」

頭をかいたり、目を逸らすなどして言いづらそうにしていたが意を決してクレハの目をまっすぐ見据える。

「…お前は俺の使用人じゃなくてよ、俺の妻になれよ。いや、なってくれ」

「………」

その言葉を受けたクレハは、はぁ、と1つため息をついた。

「…何だよ」

「いいえ、貴方は忘れてしまったのですね。と、思っただけです」

「は?何をだよ」

「小さい頃から言ってきました。クレハは大きくなったらシグレのお嫁さんになりますって」

「小さい頃って…そんな口約束…」

「いいえ、そんなことは関係ありません。私は決めていましたから、小さい頃から…今まで、それを忘れたことはありません。だからシグレが言わなくても私は貴方のお嫁さんです」

とても芯の通った言葉だった。それが理にかなっているかと聞かれればそんな事はないが、それでも気持ちは強かった。

「そうかよ…俺の言ったこと無意味だったじゃねぇかよ。なんかムカツク」

「何を言っているんですか、シグレから私にプロポーズしてくれた事はとても嬉しい事だったんですから無意味ではありませんでしたよ」

「何言ってんだか…狙ってたくせに」

「何か言いましたか?」

「別に、そろそろ帰ろうぜ」

「はい、旦那様」

「…ったく」

少し歪に永遠を誓った2人はこれからもこの森を抜ける時のように並ん
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