クラピカヤンデレ IF
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に聞いた此処の事を思い出したんだ。本当に、懐かしいさ……」
ハッとした、悲しげな瞳を浮かべつつ彼は窓の向こう側の景色を見つめ続けているのを。それで気づいた、自分が如何に愚かな質問をしてしまったのか。母に聞いた、親族の家だったなどという事はクルタ族惨殺の事を思い出させ辛い事や感情を呼び起こさせる事だと。仲間なのに、師匠なのにどうして苦しめるような事を言ってしまったのかと自分を殴りたくなった。クラピカは身体を反転させるとシャネルが顔を伏せているのを見て察した。
「大丈夫だよシャネル。私にはお前がいる、気になどしていなかったよ」
「でも、俺が辛い事を思い出させたのは事実だし……」
「だから気にしなくとも」
と言いかけた所である事を思いつき少々悪い顔になった、何処か子悪魔のような感じだ。ゆっくりと足音を鳴らしながら近づきシャネルに顔を近づけた。
「本当に、悪いと思っているのか?」
「ああ思ってるよ」
「だったら」
そう顔を上げた時シャネルは思わず息をのんだ。クラピカが自分の膝の上に座りつつ背中に手を回して抱きついたのだから。腕を回し強く抱き締められると感じるクラピカの体温と男と思えない絶妙な柔らかさに不覚にもドキッとしてしまった。
「このまま、抱き締めてくれないか。父さんにこうしてもらったのを思い出してな」
「………(ハッ!?)解った」
我に返りつつも抱き付いてくるクラピカを優しく抱き締める、身体を包まれていくのを感じつつ暖かな感触が広がって良くのが酷く快感だった。思わず蕩けそうになり眠りに落ちそうになるのを耐えつつ更に強くクラピカは抱き締める力を強めていった。
「こんな感じで、良いのか」
「ああ……暖かい……この感覚だ、もっと……もっと……」
「そっか」
喜んでくれているクラピカに自分も嬉しさを感じ始めているのを感じた、だがこれが普段の嬉しさとは違う何かと感じた。親しい誰かの為に注いだ自分の何か、それを誰かが受け取りそれを喜んでいる事に対しての歓喜。そう、転生前の事など殆ど覚えていない今の彼だが解った。これは……
「(誰かへと向ける、愛情か……)」
クラピカに対する愛情、そう理解した。その認識が正しいなど如何でも良かった、それで彼が喜んでいるのだから……。愛情だと理解し、それが生み出す喜びによっていると何かが咀嚼されるような音が聞こえるような気がした。そして、クラピカはゆっくりと力を緩めて身体を少し離していた。
「シャネル、目を瞑って貰って良いか?」
「んっ目をか?」
「ああ、頼む」
「まあいっか」
何かをするのかと思ったが別に構うまいと思いつつそのまま瞳を閉じた、何も見えない時間が少しだけ経った時小さく「行くぞ……」というクラピカの声が聞こえたと思った
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