クラピカヤンデレ IF
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―――私にとってあの言葉ほど、甘美で心を溶かしたものはなかった。
「ここだシャネル」
「へぇ〜此処か」
―――復讐という感情に囚われていた私が、その他の事に心を奪われた瞬間だった。
「何も変わっていないな、いや埃が積もってしまっているな」
「掃除すればいいじゃねえか」
―――……嫌、私の心が奪われるのは必然だったのかもしれない。
「そうだな、手伝って貰うが良いか?」
「当たり前だ。お前だけにやらせるなんて野暮な事させねえよ」
―――ああっ……私は本当に……。貴方が大好きだ。
「ふぅやっと終わったぁ……地味に疲れたぜ」
「お疲れ様、コーヒー要るか?」
「ああ貰うぜ」
積もりに積った埃を掃い、床を磨き窓を開けて掃除する事2時間。漸く綺麗になった家の中を見て満足気な言葉を漏らしつつシャネルはリビングの椅子に座った、そんな師匠の手伝いの甲斐もあって完全に綺麗にする事が出来て嬉しく思うクラピカ。今二人がいるのはクラピカの親族が友人から譲り受けたと言う別荘の一軒家だった。既に使われていないと聞かされていない過去に聞いていた為、ハンター試験を受けるまでは此処に住みつつ身体を鍛えてらしい。
離れて大分経っていたがそれでも何処に何があるのかは完全に把握しているのかキッチンの戸棚からまだ賞味期限が切れていないコーヒーを発見しポットを火に掛ける。
「にしても……本当に良い家だな、俺も住むならこういうのが良いかな」
「そう言って貰えると私も自分の事のように嬉しいよ。ありがとう」
沸騰して来たポットの音を耳で聞きつつコップを取り出す。中には自分が子供の頃に使っていたのと同じような物まであり懐かしい思い出が思い起こされる。気づかぬうちに微笑みつつ、子供用のコップを撫でつつ二つのカップを出して粉を入れていく。
コーヒーが淹れられるのを待ちつつ家の中を物珍しげに見回す。良く考えてみればシャネルは此方の側の世界にやってきてから一般的な家庭が持つ家に入ったのは初めてかもしれない。ホテルや食事処などには入った事はあれど良く考えてみればなかった事だ、だが特に目立った所はない。流石に普通の住居はどの世界も共通で同じと言う事か。どんな事を考えていると小さな皿に乗せられたカップが自分の前に置かれた。
「そんなに見回しても変わった物はないと思うが?」
「いやさ、俺って考えてみたら一般家庭の家に来た事無いなぁって思ってつい色々見ちまったよ」
「それでご感想は?」
特に目を引く物は無かったので肩を竦めて見せるとクスクスと笑う彼に惹かれて自分も笑いつつコーヒーを口に付けた。
「ハンター試験前は此処で暮らしてたんだって?」
「ああ。何をするにも拠点と言う物があった方が良いと思って色々考えていたんだが、前に母
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