7. それは神様だった 〜電〜
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あたってみるか」
ほっ……なんとかごまかせたのです……と私が胸をなでおろした時の事だった。
『きゃっきゃっ……』
「? なー集積地?」
「ど、どうした!?」
「今さ、集積地のPT子鬼がすごーくキラキラ輝いた顔で俺の足元にいるんだけどさ」
「し、失礼した! すぐに私の元に戻らせる!!」
「いや、そいつな。俺にどら焼きをくれようとしてるんだけど……」
その時私は気付いた。確かに司令官さんが来た時のどら焼きの残りは3個だったということを……集積地さぁぁぁああああああん!!! ちゃんと子鬼さんたちの行動を把握しなきゃダメなのですぅぅううううう!!!
「まさかお前たち……」
もう観念するしかない……私たち三人はすべてを諦め、司令官さんの前に姿を見せた。残り2個のどら焼きと、包み紙の残骸を手にして。
「ごめんなさいなのです……」
「す、すまねぇ提督……」
「も、申し訳なかった……」
「お前たち……そのどら焼きは貴重品なのよ? それが分かってたから今日に合わせてわざわざ一ヶ月前から予約してたのに……」
いっかげつまえ……!! 私たちはそんな貴重などら焼きを……!?
「で、でも子鬼さんがどこからか持ってきたのです! 電たちは知らなかったのです!!」
「そ、そうだ! 俺たちゃ何もしらねー! 責任があるとすれば子鬼だ! さらに言えば子鬼たちの親分の集積地だ!!」
「なッ……!? だいたい食べようってそそのかしたのはテンリュウじゃないかッ!」
「それを言ったら『お茶なら出せる』て最後のダメ押ししたのは集積地じゃねーかッ!」
「け、けんかはやめてほしいのです……」
「てめーだってこんな時に限って旗艦の威厳たっぷりで俺と集積地に『お茶を淹れてこい』とか『包みを開けろ』とか指示出しまくってたじゃねーか電ッ!!」
「!?」
私たち三人の醜い攻防がやいのやいのと続く。その間司令官さんはホクホク顔の子鬼さんから手渡されたどら焼きを悲しそうな顔で口に運び、そのまま私たちの口喧嘩を眺めていた。
「美味しいなぁ……をだやのどら焼き……」
「それには同感なのです」
「だな」
その後私たちは執務室に連行され、司令官さんのじとっとした視線に耐えつつ、大淀さんの小言にしばらく付き合わされる羽目になってしまった。
「まったく……今日この日のために一ヶ月前から準備してたんですよ? お客さん甘党だから、これを手土産代わりに渡そうと思ってたのに……」
「ご、ごめんなさいなのです……」
「出処が分からないものなら、まず提督に確認を取るのが当然じゃないですかっ」
「め、面目ねぇ……」
「集積地さんも……今はこの鎮守府のメンバーなんですから、ちゃんと規律には従ってくださいっ」
「も、申し訳なかっ
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