7. それは神様だった 〜電〜
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子鬼さんの口の中に私たちがドン引きしていると、私に乗っていた二人の妖精さんが急にピコンと反応し、私から降りて入り口の方にとことこと駆けていった。
「ま、まぁそんなに気にすんなよー。お前らマジで迫力あるよ」
「震えながら言っても説得力ないぞテンリュウ……」
「だいたい迫力って褒め言葉ではないのです……」
「そっか! わりぃわりぃ!!」
『ほらー悪かったよ機嫌なおせよー』と再び子鬼さんをゆらゆらさせはじめた天龍さんを尻目に、私は先ほど私の肩の上でピコンと反応した妖精さんたちの行方が気になっていた。二人でどこかにとことこと駆けていってから姿を見ていない。
「集積地さん。妖精さんたちは知らないのです?」
「そういえば私に1500億の借金をなすりつけた後は見てないな」
まぁ鎮守府にいることは確かだし、ここにいる分は身の安全は保証されるわけだから問題はないだろう……なんて思っていたら。
『キャッキャッ!!』
妖精さんたち二人が、子鬼さん二人と一緒に戻ってきた。なんだか四人で力を合わせて四角くて大きな包みたいなものをこっちに運んできている。
「あ、おかえりなのです!」
「心配したぞ。さぁ続きだッ! 次はお前らにボンビーを……?」
私と集積地さんは四人の仲良し妖精さん&子鬼さんたちに声をかけたが、四人が運んできたものが目に入り、言葉が止まった。
四人が運んできたものは、高級な和紙でくるまれたものだった。包み紙には、『をだや どら焼き』と書かれている。
「これは……」
「お? どしたー?」
私と集積地さんの異変に気付いたのか、天龍さんが子鬼さんをゆらゆらさせながら覗き込んできた。
「へー。“をだや”のどら焼きって言ったら、確かかなりの高級品だぜ?」
「そうなのか?」
「ああ。なんでもどら焼きのくせにけっこう高いらしいんだ。んで人気商品だからすぐ売り切れて中々買えないって話だな」
「しかもこれ、包み紙に20個入りって書いてあるのです」
「だったら相当値が張るんじゃねーか?」
そんなものをこの四人組はどこから持ってきたのだろうか。四人の妖精さんと子鬼さんたちは、両手を上げてドヤ顔で勝鬨をあげている。子鬼さんは歯茎丸出しのキモい顔なので、ドヤ顔というのは私の予想だけど。
『ガーン……』
「ご、ごめんなさいなのです……でも電の心を読んだらダメなのです……」
「でもよー。こいつら、このどら焼きをどこから持ってきたんだよ?」
「分からん……」
「それでもお前こいつらの大将かよ……どうすんだよこれ」
「……」
私たち三人の間に訪れる、困惑の空気。……いや、きっと私たち三人は今、同じことを考えている。ただ、それを口に出さないだけだ。口に出してはいけない。なぜ
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