7. それは神様だった 〜電〜
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ら、数人の子鬼さんたちが私を見て明らかにガタガタ震え始めた。私も子鬼さんたちともっと仲良くなりたいのに。
「まぁいいじゃねーかそのうち仲良くなれるって!」
「天龍さんが仲良くなった早さには負けるのです……」
「そっか?」
こうして私たちが楽しく話をしている最中も、別の子鬼さんたちが資材を資材貯蔵庫に運び込んでいる。私たちの視界のすみっこでとことこと動きまわる子鬼さんたち。本当に子鬼さんたちは働き者だなぁ……。
「そういやさ。お前らって魚雷艇なんだよな?」
『きやー!』
「魚雷ってどこから撃つんだ? 口の中?」
言われてみると不思議だ。以前に子鬼さんたちと天龍さんが演習で戦った時は猛スピードで動きまわる子鬼さんたちに驚かされて、いつどうやって魚雷を発射していたのかまったくわからなかった。
「よし。てめー、ちょっと口ん中見せてみろ」
『アガガガガガ……』
子鬼さんの両腕を右手でつかみ、左手で子鬼さんのほっぺたをつまむように挟み込んだ天龍さんは、そのまま子鬼さんの口を無理矢理に開かせていた。
「おいおい。私の子鬼に乱暴はやめてくれ」
「心配すんな口の中みせてもらうだけだって。どれどれー……」
『アガガガガガガ……』
なんだか私も気になってきた。子鬼さんの魚雷の威力は破格だった。あれたけの威力の魚雷、どこからどうやって発射していたんだろう。とても気になる……それは妖精さんも同じようで、私の肩と頭の上で、なんだかそわそわし始めていた。
「い、電にも見せて欲しいのです」
「イナズマもか……」
「よっしゃイナズマ、一緒に謎を解明しようぜ!」
「なのです!」
『アガガガガ……』
天龍さんと妖精さんたちと共に、子鬼さんの口の中を観察してみる……その小さな身体に似合わない巨大な口から覗くものは、不釣り合いなほどに大きく、異形といっても差し支えない……おぞましくうごめく鮮やかなピンク色の舌。
「う……」
「こ、これは……」
私たちは気付いてしまった。この愛嬌のある動きと資材を集めてくれるマスコット的存在という雰囲気に隠れがちだが……唇がないため外気にむき出しになっている歯と歯茎は、人間のそれをそのまま大きくしたような印象を受ける。そのため見るものの不快感と恐怖心を無理矢理にかき立ててくる……そして歯や舌はテラテラとおぞましく湿り、輝いていた。明らかに私達とは異なる、粘度を持ったヨダレが歯や舌を湿らせ、滴り、その様はまるで肉食獣……それも、腐肉を食い散らかした後の化物の口のような……これは……
「キメぇな……」
「キモいのです……」
『ガーン……』
「しょぼーん……」
この時私には、子鬼さんと集積地さんのおでこに縦縞の線が見えた。
予想以上にキモい
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