7. それは神様だった 〜電〜
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両手で一人の子鬼さんの両腕を掴んで持ち上げ、ぶらぶらさせて遊んでいる。そしてその天龍さんの股ぐらにはもう一人、右肩の上にももう一人の子鬼さんがいた。
「うひゃひゃ……手みじけーなーお前ら!」
『ウキャー!』
「なんだよお前らそれしか言えねーのかよ! おーいえーとかかまーんとかなんかしゃべれよ!!」
『ヴォォオオオ!?』
「突然闇落ちした球磨みたいな叫び声あげるのはやめろよ心臓にわりーだろー?」
『なんだよこれがおもしれーのか?』と言いながら子鬼さんをぶらぶらと左右にゆらして遊んでいる天龍さん。なんだかダックスフントをぶら下げて左右にゆらゆらさせて遊んでいる感じがして楽しそうだ。ちょっと羨ましくなってきた。
「おう! 電もちょっとゆらゆらしてみるか?」
「え……あの……あの……」
唐突に言われるとちょっと戸惑ってしまう。子鬼さん、私にゆらゆらさせてくれるだろうか。
「まーこいつらに比べると、いくらおこちゃまって言っても電でけーからな! いくら俺でもちょっとゆらゆらしてやるのは無理かな?」
「電はゆらゆらされたいんじゃなくてゆらゆらしたいのです……」
「お、俺をか……?」
「天龍さんをゆらゆらさせるのは赤城さんでも無理なのです」
『キャハハハ! キヤー!!』
「あ、こら! 眼帯をひっぱるんじゃねー! なんだよこれがカッコイイってか? わかってんじゃねーかおまえー!」
なんだか甥っ子や姪っ子をあやすおねえちゃんみたいな雰囲気を漂わせる天龍さんをほおっておき、私は集積地さんの様子を見る。今しがた『バカなッ……私の球団が……ッ!?』と悲痛な声をあげていた集積地さんは、どうやら妖精さんたち二人の策略にはめられ、約1500億円の借金を抱えた挙句、苦労して手に入れた球団を手放したようだ。ボンビー恐るべし。
「バカな……なぜみんなが私にボンビーをなすりつけていくんだ……」
うつろな目で中空を見つめ、ぶつぶつとそうつぶやいている集積地さん。……集積地さん、これはそういうゲームなのです……。二人の妖精さんは満足したのか、私の肩と頭に飛び乗ってきた。
「なー集積地ー」
頭上に陣取る子鬼さんに髪の毛をくしゃくしゃにされた天龍さんが集積地さんに声をかけていた。見ると眼帯がズレているが、目だけはしっかりと隠れている。そして掴んだ子鬼さんをゆらゆらさせているのは止めてない。
「返せ……私の球団……ぁあ? テンリュウどうかしたか?」
「あのさ、こいつらって艦種で言えば何になるんだ?」
「魚雷艇だな。こいつらを駆逐するための艦がイナズマたち駆逐艦だ」
「へぇえ〜……んじゃ電はこいつらの天敵ってわけだ」
『ギャァアアアア!?』
『ヴォォオオオオ!?』
天龍さんが変なことを言うものだか
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