第43話 睨み合う夜叉と飛天、出会う管理局と海竜
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
精根全てを使い果たし、某ボクサーのごとき顔で真っ白に燃え尽きていた。そしてそんな上条に声をかけるのが…
「当間君、お疲れさま」
そういって上条にお茶のペットボトルを差し出すのは最近の彼にとって癒しと呼べるクラスメイトの千鶴だった。
「あ〜ゴメンな雪村。わざわざ待っててくれて………」
「ううん、気にしないで。私が好きで待ってただけだから」
このやり取りだけで見れば2人は惹かれ合ってるかと予想するが、実際はそうではなかった。
「それにあの1件……鵜堂さんの事件から学校側も『外出時は必ず2人以上で行くように』って言ってたからね。警備員も日中夜問わずの警戒としてパトロールが続くし、他の皆はもう帰っちゃったしね。それに土方さんも………」
「うっ………」
千鶴の『土方さん』という単語に上条は身震いを抑えられず、その時の土方を思い出した
『いいか上条、俺は警備員で忙しく、常に千鶴の傍に居る事が出来ねぇ。だからこそ、信頼できるお前に千鶴を守って欲しいと思ってるんだ。同じ学生であるお前にこんな事を頼んでる時点で最低だって自覚はしてるが、千鶴が俺以外に信頼を寄せてるのが上条である以上、お前が適任だって俺は思ってる。ああそうだ、上条、お前は千鶴の友人として信頼しているのであって、決して恋人じゃないって事を理解してるよなぁ?もし千鶴の体が目的ならどうなるか分かってるよなぁ?』
その時の土方は目が一切笑っておらず、彼の背には蒼い炎を纏った般若が見えた瞬間、上条はプルプル震えながら首を何度も降り続けた。
「さて、課題も補修も終わったし、そろそろ帰るか?」
「そうだね。あ、当間君、帰りの途中にスーパー寄っていい?今ならタイムセールに間に合うはずだから」
「ああいいぜ。俺も今日の分を買っておきたいからな………………それに同居人の暴食腹ペコシスターに頭をかじりつかれそうだ……」
「当間君?」
「あ、あぁいや、何でもないでせうよ?」
「?」
上条の反応に首を傾げる千鶴だったが何でもないと言い切り、支度を済ませた上条たちはカバンを持ち席を立とうとしたその時、教室の入り口からピンク色の髪を持つ幼女……上条たちの担任教師である月詠小萌が顔を出してきた。
「あ、上条ちゃんと雪村ちゃん、これからお帰りですか?」
「はい。これから当間君と夕飯の買い物に……」
「そうですか。上条ちゃん、雪村ちゃんは土方先生の家族なんですからお手手を付けてはいけませんよ?」
「先生
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ